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テレワークうつ

【この気持ちの落ち込みはテレワークうつ?】在宅ワークでメンタルヘルス不調にならないための6つのポイント

 

かつてテレワークは合理的な働き方だと言われていました。しかし、現在では在宅勤務社員のメンタルヘルス不調が表面化していると言われます。

メンタルヘルスの問題は早めに気づき対処しないと、従業員の休職が増加し人員不足を起こすなどの問題に発展する可能性があります。

 

今回は、テレワーク増加によって引き起こされるメンタルヘルス不調とその対処について解説していきます。

 

 

[目次]

■テレワークうつになる原因は?

■見つかりにくくなったメンタルヘルス不調。不調のサインは?

■「テレワークうつ」を防ぐ6つのポイント

 

 

■テレワークうつになる原因は?

テレワークとは「情報通信技術(ICT)を活用し時間や場所を柔軟に活用する働き方」のことです。Tel(離れて)とWork(仕事)を組み合わせた造語です。

 

テレワークは、自宅で働く「在宅勤務」、移動中や出先で働く「モバイル勤務」、 事業所以外の施設で働く「サテライトオフィス勤務」がありますが、コロナ禍で一気に増加したのは自宅で働く在宅勤務です。

 

社員・事業所にとって互いにメリットも多いテレワークですが、慣れない在宅勤務で 「テレワークうつ」にってしまう人も増えているといわれています。

 

 

・テレワークうつになる原因は?

 

  • 仕事とプライベートの切り替えが難しい

通勤していた頃は「会社=仕事の場、家=プライベートの場」と、明確にオン・オフを切り分けることができていました。

 

在宅勤務になると、通勤にかかる時間や、電車に乗るストレスがなくなるというメリットがある反面、仕事とプライベートの意識の切り替えが困難です。

 

その結果脳が混乱し、ストレスを感じるというデメリットがあります。また、本来くつろぐ場所である自宅が 仕事場になるため、無意識に緊張が続き心身が休まらないという人もいるでしょう。

 

 

  • 長時間労働になりやすい

通勤がある時は退勤すると、帰宅中に気持ちの切り替えができました。しかし、在宅勤務では終わっていない仕事が気になりやすいです。

そして、互いの姿が見えない分、「さぼっていると思われたくない」という気持ちから長時間労働になってしまうこともあります。

 

 

  • コミュニケーション不足になりやすい

在宅ワークをしていると、雑談などのコミュニケーションが希薄になってしまいます。職場であれば「お疲れ様」「お昼は何食べるの?」「お土産を貰ったので食べませんか?」という様な会話をしますが、在宅ワークではそのような雑談もなくなってしまいます。

かつては職場の人間関係がストレスだと感じていた人も、人と全く話さないような生活が続くと、気持ちを発散する機会が減り 気持ちが沈みがちになってくるようです。

 

  • 家から出ないので気分転換がしづらい

通勤で歩いていた時間が無くなり、さらに得意先訪問・昼食などで外出する機会も少なくなったことで、慢性な運動不足に陥る人も多いです。

一日中パソコンに向かっていると血流が悪くなり、腰痛や肩こりの原因にもなってしまいます。

 

また、街路樹の葉の色の変化に気付いたり、店舗の看板の変化に気付いたり、フレッシュな空気を吸ったりすることは 案外気分転換になるのですが、体を動かさずに自宅にこもっていると、気持ちがふさぎ込んでしまいます。

 

 

 

テレワークうつになりやすい人は?

 

テレワークによりメンタルヘルス不調になりやすい人は、

  • 入社直後・部署移動直後で人間関係が希薄な社員
  • ワンルームで独り暮らしをしている社員

だと言われています。

 

最近では、上司と直接顔を合わせる機会が少ないままテレワークが始まることがあります。これまで業務連絡の隙間を埋めていたのは上司・部下間のコミュニケーションでした。

直接報告すれば上司の表情などから読み取れた(非言語コミュニケーション)ことも、テレワークでは文面だけのやり取りになってしまうため、「このクオリティでよかったのだろうか」「仕事が遅いと思われていないだろうか」などと不安になり、ストレスを感じる人も。

 

「この件どうなってますか」という ちょっとしたやり取りでも、人間関係の基盤ができていないと「怒っているのだろうか?」と悩んでしまうこともあるでしょう。

 

そして、入社1、2年目の独身ワンルーム暮らしの社員は、精神的な孤独と閉塞感を感じてメンタルヘルス不調に陥りやすいと言われています。

 

通常は隣の席にいる先輩に「ちょっといいですか」と聞けていたことも、リモートでは聞きづらく、また家族の会話もないため感情を発散する「はけ口」がありません。

 

コロナ禍で急遽テレワークを導入した会社の場合、オンラインでのやり取りに苦手意識のある管理職社員もいるでしょう。

上司から部下にコミュニケーションを取るのが面倒に感じ、また部下も遠慮していると、上司・部下間の距離感は広がる一方になります。

 

業務連絡の間を埋めていたはずのコミュニケーションに齟齬が生まれ、2~3か月後くらいにトラブルが起こる

いうケースも報告されています。

 

 

 

■見つかりにくくなったメンタルヘルス不調。サインは?

 

テレワークになり、社員のメンタルヘルス不調に気づくことが非常に難しくなったという声が多くの企業から上がっています。

これまでは「会社に出社していること」「身なりが整っていること」「勤務中の様子」が有益な情報でした。

 

テレワークになると、パソコンを立ち上げ、ログインさえすれば勤怠が記録されますが、それだけでは社員の心の健康状態までは把握できません。

上司はさらに一歩踏み込んで社員の健康状態を確認することが必要です。

 

 

・在宅ワークをしている社員に見られるメンタルヘルス不調のサイン

  • 寝坊や体調不調で定刻に業務開始できない
  • 業務時間が⻑い、仕事のスピードが低下している
  • ミーティングでの声が小さい、元気がない
  • 業務のケアレスミスが増えた
  • メールにおかしな文脈が増えた
  • 突然感情的になったり、キレたり、泣いたりする
  • 投げやりな返事、業務に対する意欲が減退しているように見受けられる
  • チャットやメールの返信が遅い、電話になかなか出ない、折り返し電話が遅い
  • 電話で会話のテンポが遅い、なんとなく社員の理解が遅くなったようだ
  • 体調不良を訴えるようになった  …等

 

社員がオンラインミーティング中に顔を出していないことが続いている場合、生活リズムが乱れ 身だしなみが整っていない可能性もあります。

また、オンライン会議や朝礼には遅れず出席しているものの、仕事で大幅な遅れやタスク漏れを起こしていることもあるので、細かくタスク表などを観察しておくことが必要です。

 

その他、勤怠報告とパソコンの起動時間に乖離がある日が続いている社員もメンタルヘルス不調を抱えている可能性があるので、注意深く観察していきましょう。

 

 

 

■「テレワークうつ」を防ぐ6つのポイント

 

慣れない在宅ワークの環境でメンタルヘルス不調を抱える社員が出ることを防止するために、企業はどのような対応をとるべきなのでしょうか。ここでは企業に出来る対策例を3つ紹介します。

 

  • オンラインで朝礼や終了報告をする

在宅出勤している社員の生活リズムを整える取り組みとして、オンラインミーティングツールを使ったビデオ通話や、ICTツールによる朝礼や業務後の報告会を導入すると、仕事とプライベートの意識が切り変わり、業務にメリハリが生まれやすいです。

また、業務後に作業報告会をすることよって、ダラダラ仕事を続けてしまうことも減らせます。

 

  • 快適な作業環境の整備

同僚や上司とスムーズな連絡ができないことは業務を進める上でストレスになります。自宅でもオフィスと変わらないスムーズな作業環境を整えることは生産性にも関わります。

しかし、LINEなどのチャットアプリは頻繁にチェックをする必要がありストレスだという人もいるので、会社の人数や職場に適したコミュニケーションツールを選定します。

 

  • 雑談などができる場を設ける

在宅ワークではどうしてもコミュニケーション不足になるので、ビデオ通話を利用した少人数でのコミュニケーションの場や、オンライン飲み会を設ける企業もあります。

 

業務報告以外の、他愛もない雑談や相談ができる場は  ある社員にとっては歓迎されます。

しかし、参加すべきという空気は他の社員にとっては負担にもなり得ます。

ですから、それぞれの意向を尊重して、入退室自由・参加自由にするなどの形式を心がけてください。

 

次に、在宅勤務の社員が「テレワークうつ」を防ぐポイントを紹介します。

 

  • 仕事環境を整える

デスクの周りに日常生活で使うための調理器具や服、自分の学びのための本や、女性の場合メイク道具などがあると、どうしても気を取られて仕事に集中しづらくなります。

普段使っている食卓で仕事をしなくてはならないという場合でも、仕事時には  机の上や目のつく所に仕事道具以外の物を置かないようにしてみてください。

 

そして就業後ですが、プライベートな空間にいるはずなのに、仕事に関わるものが目に付くところにあると心休まらず 睡眠障害を起こす人もいます。

そんな人は、面倒でもパソコンをシャットダウンし、目につかないところに片づけてみてください。

 

  • 就業時間を決めて守る

自宅が仕事場になると、仕事とプライベートの切り替えが曖昧になりがちです。

マイペースに仕事ができるところがテレワークの利点ですが、つい携帯を触るなどして仕事に集中できず、結局12時間以上仕ダラダラと仕事をしていた、というのもありがちなケースです。

 

仕事の時間は仕事にしっかり集中して、休憩時間には休憩する。会社に出社しているようなつもりで、メリハリを持って仕事をしてみてください。

 

  • 気晴らしを取り入れる

自宅にこもると運動不足になるだけでなく、閉塞感を感じ気が沈みがちになります。さらに外出が億劫になると、日用品はまとめ買いしてますます外出が減る悪循環になります。

 

気持ちのリフレッシュができないことが、メンタルヘルス不調の原因の一つになることもあります。

昼休憩時に近くの公園に行って景色を眺めたり、外の空気を吸うなどしてみてください。散歩やジョギング、ヨガなどを取り入れてみるのもおすすめです。

 

誰かとの会話は、一見業務には関係ないため無意味だと思われがちですが、実はストレスの軽減に大きな効果があります。在宅勤務をしていると「人との会話が半減するものなのだ」と認識して、いつもより意識的にコミュニケーション量を増やしてみてください。

 

たくさんの人が孤独になりがちですから、「元気にしている?」「最近こうしているよ」などチャットや電話は、どことなく嬉しく、好意的に感じる人も多いでしょう。

 

■まとめ

社員・事業所にとって互いにメリットが多い「テレワーク」ですが、慣れない在宅勤務で 「テレワークうつ」陥ってしまう社員も増えているようです。

仕事のオン・オフの切り替えが上手くいかないこと、コミュニケーションが希薄になりやすいこと、そして社員のメンタルヘルス不調に気づきにくいことなどが原因です。

 

企業側は社員同士のコミュニケーションが円滑になる方法を模索し、また在宅勤務職員一人一人がメンタルヘルス管理意識を持つことが必要です。

 

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