2025.6.4
自己受容をしたとき、私は思いがけず、深い孤独を感じました。
自分と他者が違う人間であるということを、心の底から実感したのです。
それまで私は、みんな自分と同じ世界に生きていると思っていました。
でも、自分を自分として受け入れた瞬間、「あれ?まわりに誰もいない……」という感覚に襲われ、まるで別の世界にひとりで放り出されたようでした。
今まで、「これが正解で、みんなが従っている」と信じていた世界が崩れました。
私が信じていた“正しい生き方”は、本当は違っていた。
もっと言えば、「正解なんて最初からなかった」。
それは、私が自分の中で作り出した幻だったんだと気づいたのです。
「じゃあ、これからどうやって生きていけばいいんだろう?」
そんな、とてつもなく大きくて深刻な問いが、静かに、でも確かに私の前に現れました。
そのとき私は、不安と恐怖にかられ、強い孤独に包まれました。
不思議なことに、その後に訪れたのは、今まで感じたことのない希望と喜びでした。
外にある“正解”に従うのではなく、自分の内側から正解を見つけ、選びながら生きていける――
それが、初めて「わたしという存在が認められた」ように感じられたのです。
「自己肯定感は、自己受容から始まる」とよく言われますが、
私にとっては、自己受容=自己肯定という感覚でした。
自分をまるごと受け入れることが、安心感や信頼感につながっていったのです。
自己受容の中で感じた孤独は、「この世界にもう一度産まれ直した」ような感覚でした。
でも、それは決して過去の自分を否定するものではありません。
むしろ、“卒業”に近いものでした。
学んできたこと、大切にしてきたものを持って、自分の幸せに向かって次のステージへ進む――そんな節目だったのです。
私は幼いころからずっと、孤独がとても怖かった。
でも、自己受容の中で感じた孤独は、まったく怖くありませんでした。
むしろそれは、とてもあたたかくて、やさしくて、
これまでにないほど安心できるものでした。
恐れていた感情に、まさか幸せを感じられるなんて――
それだけで、これから先に希望を持てるような気がしたのです。