2025.8.19
わたしが利用していた自立訓練施設では、ストレスについて学ぶプログラムがありました。
「ストレスとは何か?」という基本的なところから、「どんなときにどんなストレスが生まれるのか」「そのストレスにどんな対処法があるのか」…と、ストレスと向き合い、自分を見つめ直す学びの時間でした。
資料を読み、グループワークで話し合う中で、少しずつ「自分の中にあるストレス」に気づいていきました。
自立訓練を始める前のわたしは、日々の仕事に追われ、休みの日はぐったりと寝る生活。
そんな日々の中で、ストレスに向き合ったり、自分のしんどさの原因に目を向ける余裕は、時間的にも精神的にもまったくありませんでした。
でも、自立訓練を通して「自分のストレスと対話する」という姿勢を学びました。
「わたしって、特定のタイプの人や状況でしんどくなるんだな」と、自分の反応パターンに気づけたこと。
その気づきが手がかりとなって、自分の奥深くにある“苦しみの核”と出会いました。
そしてその“核”を、少しずつ敵ではなく、味方に変えていくことができました。
ストレス対処法はネットや本にあふれています。実際に効果的な方法もたくさんあります。
けれど、時にはそれらが「根本的な苦しみから目をそらす手段」にもなりうることを、わたしは学びました。
吐き気を止める薬が、病気の深刻さを見えなくしてしまうように。
対処法だけでは、根本の苦しみは解決されないこともあるのだと気づいたのです。
自立訓練を通して、「ストレスコントロール=ストレスの完全解消」だと思い込んでいた自分に気づきました。
わたしにとっての大きな学びは、「ストレスをなくす」のではなく、「ストレスの根本にあるものと向き合う」ことの大切さを実感できたことでした。
わたしは、自立訓練での学びを通して、自分のストレスの根っこには、幼少期の体験やトラウマ、コンプレックス、劣等感があることを実感しました。
それらと向き合い続けることで、少しずつ、深い部分からの癒しや変化が生まれていったのです。
自立訓練は、生活リズムやコミュニケーションスキルを整えて、再就職や復職の支援をしてくれます。
その支援はもちろん有意義でありがたいものでした。
でも、それと同じかそれ以上に、「自分に優しい自分を育てること」に伴走してくれた時間が、わたしにとっては“生きること”への支援でした。
わたしという存在そのものを肯定できるようになった、そんな芽生えが、今のわたしの土台となっています。