ひきこもり・職場復帰のための就労支援&自立訓練|ミライワーク広島・川崎

line
line

お知らせ

【シリーズ:体験記㉔】比較ゲームから“観察”へ

2025.10.28

私は昔から、「あの人に比べたら私なんて…」とすぐ思ってしまう。

勉強ができる人、仕事が早い人、会話がうまい人。

そういう人を見ると、尊敬する前に、まず「負けたな」と感じる。別に勝負してるわけじゃないのに。

1.自動で始まる「比較ゲーム」

気づくと頭の中で、自分と相手のステータスを比べている。

「性格:あっちのほうが社交的」

「年収:たぶん私より高い」

「見た目:完全に負け」

そして総合得点が低いのは、たいてい自分。

この“比較ゲーム”は誰にも頼まれてないのに毎日開催されて、毎回同じ結果になる。

そりゃあ自己肯定感も下がるわけだ。

2.スタッフさんに言われたこと

この話を自立訓練のスタッフさんにしたら、「そのゲーム、ルールが不公平すぎない?」と笑われた。

よくよく考えると、確かにそうだ。相手の良い部分と、自分の苦手な部分だけを比べている。

それは最初から負けるように設定されたゲームだ。

スタッフさんは続けてこう言った。

「自分の得意な部分と相手の苦手な部分を比べたら、きっとあなたのほうが勝ってるところもあるよ」

なるほど…とは思ったけど、正直すぐには受け入れられなかった。

なぜなら、私の頭の中では“私より上”の人しか映らない仕組みになっているからだ。

3.「得意」のハードルを下げてみた

でも、その日から少しずつ試してみた。

まずは、自分の中で「得意」のハードルを下げること。

たとえば、友達の誕生日をちゃんと覚えている。

スーパーで安売りを見つけるのが得意。

新しいお店を探すのが好き。

そんな小さなことでも、“自分ができること”としてメモしていく。

すると、「あれ?私、意外とあるじゃん」という感覚がちょっとずつ増えてきた。

4.比較から“観察”へ

もう一つ効果的だったのは、“比較”をやめて“観察”にすること。

「あの人はすごい」から、「あの人はこういうところが得意なんだ」に変える。

すると、不思議と劣等感よりも好奇心が勝つようになる。

「へぇ、このやり方いいな。真似してみようかな」と思える瞬間が増えた。

5.価値は点数じゃない

今もたまに、自分の価値は人より低いな…と落ち込むことはある。

でも、それはあくまで“気分”であって、客観的な真実じゃない。

価値って、誰かが点数をつけてくれるものじゃなくて、

自分の中でじんわりと感じるものだと思う。