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お知らせ

【シリーズ:体験記④】わたしの躁状態と、サインの見つけ方

2025.6.11

―双極性障害Ⅱ型とのつきあい方-

1わたしの病名と特徴について

わたしは躁が軽めの、双極性障害Ⅱ型という躁うつ病です。

最近では、双極症と言うそうですね。

わたしの場合、人間関係を壊すような躁の症状は出ませんが、「やり過ぎてしまう」ことがあります。

やり過ぎてしまう期間は、数分のこともあれば、数時間、長い場合は数ヶ月続くこともあります。

2 数分のやり過ぎ

数分というのは、誰かと話をしているとき。

なんというか、勢いがつくと相手のペースを無視してがーっと話してしまうんですね。

で、がーっていうのは、早く長く話すときもあれば、威圧的に話すこともあるし、相手の気持ちをあまり考えないとか、いろんな要素が混ざってます。

3数時間のやり過ぎ

数時間というのは、特に好きなことをしているとき。

以前、ロードバイクが趣味だったんですが、一日中整備してたことがあります。

お昼ご飯を食べず、朝から夕方までずーっと。

あとハンドメイドも趣味なんですが、これも同じ感じですね。一日中ずっと作ってる。

集中してるときは、全然疲れないんですよね。

というか、疲れてるんだけど、自覚できない。飽きたら、どっと疲れが出る。

そんな感じです。

4 数ヶ月のやり過ぎ

数ヶ月というのは、仕事。

仕事自体が楽しいとか、なにか目標があってそれに向かってちょっと頑張ってるとかじゃないんです。

「やらなければ!」という義務感です

というか、「もっとちゃんとやらないと怒られる!」という感覚です。

でも、そんな自覚はないんですよね。

やって当たり前のことをやっている。ただ、その「当たり前」の基準がむちゃくちゃ高い。

だから、いつまで経っても基準を満たせないから、焦る。

だからもっと仕事に集中する。

そうすると、生活=仕事みたいになって、ずっと緊張と焦りの中で生活することになっちゃうんです。

で、気が付いたらがくっと落ちる。

燃え尽き症候群みたいになればまだ軟着陸でいいんですけど、うつ状態になってしまうんです。

まさに躁鬱ですね。

わたしの双極性障害Ⅱ型はこんな感じです。

幸い、人間関係が壊れてしまうほどの攻撃性やものすごい自信過剰みたいなのはありません。

また、躁うつ病でよく言われる、「おれはなんでもできる!」というのも0ではないですが、ありません。

わたしはこんな感じですが、人それぞれで違うこともあるそうですね。

5躁状態のサインに気づくこと

躁状態やうつ状態にならないことはたぶん無理だろうなと思ってます。

でも、生活が壊れてしまわない範囲におさめることはできると思ってます。

そこでわたしが大切だなーと思ってるのが、「躁状態になってるよ!」っていう自分からのサインに気付けるようにすること

気付ければ、それだけで冷静になって落ち着くこともありますし、ちゃんと対処できれば段々普段の自分に戻っていきやすいです。

6 わたしが気をつけているサイン

わたしの躁状態で特に気をつけないといけないのは、数ヶ月続くときです。

この状態になっているときのサインはいくつかあります。

①歩くのが早くなる

気分が焦ってるから、自然と歩くのも早くなっちゃうんですね。

姿勢もちょっと普段と変わって、全身がピンと伸びてつま先に重心が乗って、ふくらはぎが疲れる。そんな感じです。

②23時以降もだらだらスマホをいじっちゃう

なんか寝るのが嫌になるんですよね。

なにかがしたいわけでもないし、エネルギッシュになってるわけでもないし、「寝たくない!!」って強く思ってるわけではないんですが、なんか嫌なんです。

後から考えてみると、「仕事行きたくないなー、しんどいなー、明日になって欲しくないなー」みたいなことを感じてるように思います。

③したいことができない

本を読みたいのに読めない、体が嫌がる、しんどいと感じる。

映画を観たいのに観れない、体が嫌がる、しんどいと感じる。

休みの日の朝の散歩に行きたいのに行けない、体が嫌がる、しんどいと感じる。

この三つは、「好きだしやりたいのに、無意識で心と体と脳が嫌がってる、疲れたから休ませてって言ってる」みたいな感じです。

食べ過ぎるとお腹が疲れて食欲がなくなるってありますよね。胃炎になったりもします。

この三つが出てるときって、心と体と脳が食べ過ぎて食欲がなくなってるのと似てるなって感じてます。

仕事しすぎて、自分の全部がもう疲れちゃってる。

いろんな刺激や情報で、全身がもういっぱいいっぱい。

だから、本や映画から情報や感情の動きを食べたくないし、散歩に行ったときの体の刺激を食べたくない。

そんな感じなんじゃないかなー、と。

7サインに気づいたあとの行動

こんな感じのサインは全部行動の変化だから、気持ちや気分の変化よりも分かりやすいし、自分で納得しやすいんですよね。

「あ、おれ過集中で疲れが溜まったんだわ。ちょっと休憩しよう。」って。

で、大切なのは、サインに気付いたらどうするか、っていうのを決めておくことだと思います。

8 わたしの戻し方(リセット方法)

わたしの場合はいろいろあるんですが、特に「これだ!」っていうのが三つあります。

①一番の親友と飲みにいく

サインに気付いたときだけじゃなくて、毎月1回必ず飲みに行くようにしています。

で、なんかあれば他の日も誘う。

なにも考えず、お互いに聞いて欲しいことやくだらないこと、遊びの計画なんかを話します。

自然な状態でいられる人と一緒に時間を過ごすっていうのは、思った以上にいいんだなー、と思います。

自分の状態をリセットしてるなって感じます。

②山に行く

車で家から一時間ぐらいのところに、お気に入りの場所があります。

古民家を改修した交流スペースみたいなところで、縁側でぼーっとできます。

山に囲まれて、家はぽつんぽつんとあるだけ。あとは田んぼ。

そんなところで、自然の音を聞きながら、ぼーっとします。

理屈はよくわかりませんが、自然に囲まれると、いろいろとほぐれていく感じがします。

③海に行く

瀬戸内海に、わたしが好きな島があります。

ここも車とフェリーで一時間ぐらいで行けるところです。

民家が少ないところの海沿いに車を停めて堤防に座って、ぼーっとします。

山と同じような過ごし方です。

やっぱりいろいろとほぐれていく感じがしますし、ひろーい海を見ていると、なんかどうでもよくなるんですよね。

良い意味で、自分がすごくちっぽけな存在に感じます。

こんな感じなんですが、共通するのは、自然な自分に戻ることだと思います。

家からちょっと遠いところっていうのも、たぶんポイントですね。

普段の仕事を感じる場所から、非日常に自分を置く。リセットになってるんだと思います。

9 自分とのつきあい方

昔に比べたらだいぶ自分のことが分かって、一定の範囲に自分を留められるようになってきましたが、まだやっぱり、「あー、やっちゃったな」と感じることもあります。

少しずつでもいいので、もっといい感じに調整できるようになれたらいいなと思いながら、日々自分と対話しています。

わたしの体験が、同じ病気で悩んでる方のヒントになることができれば嬉しいです。