2025.7.8
自立訓練では、本当にいろんなことができました。
個人訓練の時間には、しんどくなった出来事の振り返りや、自分の好きなことの再発見、「もっと自分らしく生きるには?」というヒントを探すこともありました。
また、資格の勉強をしたり、趣味の時間にあてたりすることもできます。
今まで頑張りすぎて疲れていた自分を労わり、自分との対話の時間を持つこと。
わたしにとって、個人訓練の時間は、まさにそんな大切な時間でした。
個人訓練だけでなく、他の利用者さんと一緒に参加するグループプログラムもあります。
コミュニケーションスキル、ストレスコントロールのためのプログラム、さらには体力づくりやレクリエーションなど、幅広い内容が用意されていました。
それぞれのスキルを高められることはもちろんですが、なによりも他の利用者さんとの会話の中で、共感し合ったり、癒されたり、勇気をもらったり。
たくさんの「自分を理解するヒント」を受け取る時間でもありました。
もちろん、毎回元気に参加できるわけではありません。
調子が良くないときには、プログラムをお休みして、少し離れたところでゆったり過ごしたり、本を読んだりして過ごすこともできました。
「無理しない」「休むことも選べる」──そんな安心感があるのも、自立訓練の魅力の一つです。
いろんなプログラムの中で、わたしが特に好きだったのが「体力づくり」の時間でした。
近くの公園までの散歩、屋内での卓球やストレッチなど、体を動かす活動がいくつかありました。
もちろん、運動そのものも楽しかったのですが、わたしが体力づくりを好きだった理由はもう一つあります。
それは、「自然な自分を見つけられたこと」です。
わたしはずっと、「みんなで楽しむ場面では、自分もちゃんと楽しめていないといけない」
──そんな風に思い込んでいました。楽しめない自分がいることが、どこか怖かったのです。
でも、周りの利用者さんたちはそれぞれまったく違っていました。
中心で盛り上げている人もいれば、少し離れた場所で穏やかに過ごしている人もいて、興味がなさそうにしている人もいました。
そして、どの人も“自然”だったんです。
周りの人たちも、それを自然に受け入れている感じがしました。
思い返せば、利用者さんたちはみんなとても優しかったように思います。
たぶん、自立訓練を利用している人には、しんどくなるまで自分や他人のことを考えてしまうような、優しい人が多いんじゃないかなと感じました。
だからこそ、「自然なままの誰か」を否定せずに受け入れられる空気があるのだと思います。
そんな日々を過ごす中で、あるときふと思いました。
「わたしも、ちょっと怖いけど自然な自分でいてみよう」と。
輪の中心に行かず、参加したいときにだけ、ちょっと顔を出してみる。
そんな自分を試してみたら、思っていたよりずっと楽でした。
「自然な自分」を知り、「自然な自分でいること」ができた。
それは、わたしにとってとても貴重な体験になりました。
自立訓練のプログラムは、ただ体力やスキルを高めるだけではなく、
「自分にとっての心地よさ」や「本当の自分らしさ」と出会える時間でもありました。
とくに、体力づくりの時間は、運動を通じてそんな感覚を得ることができる、大切な時間でした。