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お知らせ

【シリーズ:体験記⑪】で、結局「自分軸で生きる」ってなんなのよ?

2025.7.29

「自分軸で生きたら楽だよ!」ってよく聞きますよね。

自分を大切に、とか、嫌なことは嫌って言う、とか、自分を主張する、とか。

わたしが自分軸で生きられるようになって感じているのは、「その前の部分が大切なのにな・・・」ってことです。

1.自分軸の「自分」ってなに?

自分ってそもそもなんなんでしょう?

自分は、誰とも違うこの世界に一つだけの存在。

価値観?経験?意思?本能?

わたしが思うのは、心です。

感情とも言えます。

わたしは人間の根源は感情なんじゃないかと感じています。

自分の好きなように操れない、他人も好きなようにあやつれない。

でも勝手に湧いてきて、自分の在り方に深く深く影響する。

そして、誰かと全く同じということはない。

そんなものって、感情以外にないと思うんです。

価値観は、感情の積み重ねだと思うから、根源じゃない。

経験は、過去のことで今この瞬間のことじゃないから今を大切にできない。

意思は、価値観を基に生まれるもの。本能も基にするけど。

本能は、原始的な欲求のことだからそれは人間の動物的な側面の話。

感情は、自分じゃコントロールできない。

湧いてきた感情に振り回されないようにする、と言う意味ではコントロール出来るけど、湧いてくることそのものはコントロールできない。

感情は勝手に湧いてきちゃう。

どうしようもない。

人間の意思で感情は作れない。

自分の意思で「楽しい感情」を湧かそうとしてもできない。

同じように、意思だけでは「嫌な感情」を湧かないようにもできない。

意思は、感情の影響を強く受ける。

どうやったって人は感情の影響から逃れられない。

だから、人は感情が根源だと思います。

自分の意思とは無関係でしかもそれが根源だとしたら、もうそれを基準にせざるを得ないと思うんです。

だから、自分軸の「自分」は、感情だと私は感じています。

感情を軸にする、っていうと、「感じるままに振舞えばいいのか?それってただの自分勝手じゃない?」と思うかもしれません。

シンプルに考えるとそうなりますよね。

でもそうじゃないんです。

2.感情を軸にするということ

感情を軸にするというのは、感情と思考と言動を一致させる、という意味ではありません。

「自分はいま何を感じているのか?」ということを自覚する、ということです。

人間は一人だけで生きるのはとても難しいと思います。

家庭、学校、会社、コミュニティなどなど。

そんな中で自分勝手に振舞っていると、自分も他者も傷つけてしまいます。

自分の幸せから遠のいていってしまうと思います。

だから、腹が立ったり傷ついたりしても、理想の解決はなかなか難しいと思います。

心がしんどい状態を受け入れないといけないことがあると思います。

そんな時、自分の感情が分からなかったらどうでしょうか?

傷ついてるのに血を流せない。

恐がってるのに逃げられない。

知らないうちに、体も心もボロボロになっちゃいます。

気が付いたときには取り返しがつかなくなってた・・・。

わたしはそんなことの繰り返しでした。

わたしのような生き方をしてると、生きることそのものが拷問になってしまいます。

3.嫌な感情は、幸せのヒントにもなる

だから、自分の嫌な感情をちゃんと感じ取って大切にすることがとても大切だと思うんです。

嫌な感情は、自分を守る盾になり、幸せのヒントにもなります。

「なんでこの感情が湧いてくるんだろう?」を入口に自分を見つめて深堀りしていくと、自分の中のトラウマや劣等感、触れられたくない傷に辿り着けたりします。

それらは、裏返すと自分が大切にしたいものだったりします。

大切にしたいものが見つかると、それを大切にしようという生き方もできます。

そうると、自分が大切にしたいものをちゃんと大切にできて、大切なものに囲まれて生きられるようになるかもしれません。

だから、自分の嫌な感情をちゃんと感じって大切にすることがとても大切だと思うんです。

4.心地よい感情も、ちゃんと感じ取る

嫌な感情と同じように、ここちよい感情をちゃんと感じ取ることもとても大切です。

「好きだな、楽しいな、落ち着くな、満たされるな、快適だな」っていうここちよい感情をちゃんと感じ取れるようになると、自然とここちよさ感じる選択肢を選びたくなります。

また、自分のここちよさを知っていると、仕事なんかでよくある「ここちよくないことをせざるを得ないとき」でも、「わたしはいまここちよくないことを自分の意思で選んでる。だからあとでちゃんとここちよいことをして心を労って癒してあげよう。」と思えます。

こんな感じで、嫌な感情もここちよい感情も全部ちゃんと感じ取って、それを軸に自分はなにを選択しているのか?を自覚できると、自分で自分の心をここちよい状態に持っていきやすくなります。

これが、「自分軸で生きる」ということだとわたしは感じています。

5.自分軸は、少しずつ育っていく

自分軸で生きると、他人の感情を軸にしないので振り回されにくくなります。

えらそうなことを書いてきましたが、わたしはまだまだ自分軸初心者です。

日々自分軸でいようと意識して、それでも気が付いたら他人軸になっちゃってた。

そんなことはよくあります。

でも、「他人軸になっちゃってた」って気付けることと、「自分軸はここちよい」を知っているだけで、すごく安心できるんです

自分らしく楽しく生きるための「心」という土台が、ちゃんと自分の中にあることを実感できるから。

30年ぐらいずっと他人軸で生きてたから、そのクセはすぐに消せないんですよね。

でも、日々ちょっとずつちょっとずつ、自分軸でいることが自然な状態の自分に近づけていることを感じます。

だから、他人軸でしんどくなる時があっても、すごく安心できるんです。

6.0が1になれば、もう自分軸

自分軸で生きるというのは、0か100かじゃないと思います。

0が1になった時点で、もう自分軸。

しかも、自分軸のここちよさを知ったら、自然とそっちへ行きたくなる。

そうすると、自分軸の時間が増えていく。

だから、0が1になったら、あとは時間が経てば自然と100になっていく。

そう思います。

自分の感情を真正面から見て深く理解していくことは恐いこともあるけど、その恐さを抱きしめると、恐ささえも愛おしい自分になります。

「人に振り回されてしんどいな」「もっと自分らしくいたいな」「ちゃんと自分を大切にしたいな」と思うときは、自分の心に優しく聴いてみるといいかもしれません。

「ねえ、いま何を感じてるの?」

って。