ひきこもり・職場復帰のための就労支援&自立訓練|ミライワーク広島・川崎

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お知らせ

【シリーズ:体験記㉕】主治医の先生に心が開けない

2025.11.4

「何でも話していいですよ」って言われても、頭の中は真っ白。

病院の診察室って、なぜあんなにも口が重くなるんだろう。

1.「話せない」の理由は単純じゃない

私はもともと人見知りだけど、それだけじゃない。

診察室では時間が限られているし、なんとなく“ちゃんとしたこと”を言わなきゃって思ってしまう。

その結果、本当に言いたかったことほど、飲み込んでしまう。

たとえば「最近、夜中に何度も目が覚める」とか「ふとしたときに涙が出る」とか。

こういう細かいことって、口に出すと大したことじゃない気がして、黙ってしまう。

2.うまく言えない自分に落ち込む

診察が終わって家に帰ると、「ああ、あれも言えばよかった」って後悔する。

そして、「私はコミュニケーションも下手なんだ…」と自分を責める。

悪循環のループ完成。

3.スタッフさんからのアドバイス

自立訓練で話したとき、スタッフさんにこんなことを言われた。

「診察って、プレゼンの場じゃないよ。完璧に話す必要なんてない」

そう言われて、少し肩の力が抜けた。

先生にわかってもらうために、立派な説明をする必要はない。

とりあえず、「なんとなく元気がない」「よくわからないけど気持ちが落ちる」でもいいらしい。

4.メモの魔法

それから私は、診察の前にスマホのメモに一言ずつ書くようにした。

「寝つきが悪い」「朝だるい」「人と会いたくない」など、短い言葉だけ。

診察室では、それを見ながら伝える。

全部は話せなくても、一つでも伝えられれば進歩だと思うようにした。

5.心を開くのは一気じゃなくていい

正直、まだ先生に全部をさらけ出せるわけじゃない。

でも、ちょっとずつ話せることが増えてきた。

心を開くって、いきなり全開にするものじゃなくて、少しずつ隙間を広げていく感じなんだと思う。

診察室を出るとき、ほんの少し「言えたぞ」と思える日は、帰り道がいつもより軽い。