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【うつ病 休職から職場復帰まで】 復職の不安を解消し再発リスクを管理する方法

うつ病は日本では約15人に1人が一生に一度はかかる病気と言われています。過労や職場のプレッシャーからうつ病を発症する働き盛り世代の方も多いので、働く人にとっては比較的身近な精神疾患だと言えるでしょう。

 

うつ病の症状により仕事でミスを重ねたり、集中力を失ったりしているにもかかわらず「自分のせいで会社に迷惑をかけている…」と思い詰めてしまう人もいますが、うつ病の治療には心身が休まる療養期間が必要です。

 

この記事ではうつ病での休職にまつわる疑問に答え、また再発リスクを管理しながら職場復帰する方法を解説していきます。

 

[目次]

■うつ病とは?仕事への影響は?どんな人がなりやすい?

■休職期間はどのくらい?復職はできる?

■職場復帰の不安を減らすための3つのポイント

 

■うつ病とは?仕事への影響は?どんな人がなりやすい?

①うつ病とは?

うつ病は気分障害の一つです。「一日中気分が落ち込んでいる」「何をしても楽しめない」「意欲が湧かない」といった精神症状とともに、不眠症、食欲減退、疲労感といった身体症状が起き、仕事や日常生活に支障をきたします。うつ病の原因ははっきり分かってはいませんが、脳内の機能に問題が起きている状態だと考えられています。「気の持ちよう」だと思わず、しっかり治療をすることが必要となります。

 

②こんな症状が当てはまる方は…

1.体がだるく疲れやすい

2.気分が沈みがち

3.今まで楽しかった趣味が以前ほど楽しめない

4.食事がまずく、食欲が減退している。体重が減った

5.仕事に以前ほど集中できない。処理に時間が余分にかかったり、ミスが増えたりしている

6.夜寝つきが悪い、眠りが浅い

7.人生が無意味に感じ、自分が役立たずだと思う

8.テレビを見たり音楽を聴いたりしても楽しめない

 

該当する症状が2週間以上続いている場合、うつ病の可能性があります。早めに専門医を受診するようにしましょう。

 

③仕事への影響は?

うつ病になると仕事の効率が低下します。単純作業に時間がかかる、ミスが増える、同僚を避けコミュニケーションが難しくなる、遅刻が増える。以前はテキパキ仕事をしていた人も、うつ病になると職場でぼーっとしたり、仕事をこなせなくなったりします。

 

同僚や家族があなたの異変に気付き、専門医の受診を勧めてくれる場合もあるかもしれません。精神科や心療内科の受診が初めてという場合、なかなか気が進まないかもしれません。ですが、症状が出ているのに仕事をしてもなかなか効率は上がりません。風邪を診てもらうのと同じような気持ちで、まずは精神科や心療内科を受診してみてください。

 

社内に産業医が在籍していれば初めに相談してみるのもよいでしょう。産業医とは、労働安全衛生法で50人以上を常時雇用する会社に配置が義務付けられている医師です。個人情報には十分配慮してくれますし、昨今非常に増えている精神疾患に関して適切な知識を持っています。

 

④うつ病はどんな人がなりやすい?

真面目、責任感が強い、几帳面、規律を守る、周囲に気を使いすぎるなどの性格の人が、うつ病になりやすい傾向にあるようです。時折、「うつ病は心が弱い人がなるもの」と誤解される一方で、実際うつ病を発症しやすいのは、メランコリー親和型と呼ばれる性格傾向があると言われ、真面目で責任感が強く、几帳面で秩序を重んじる、周囲に気を使いすぎるなどなどの特徴がある人が多いです。

 

そして、実際の発症のきっかけとなるのが強いストレスです。どのような状況がストレスになるのかには個人差がありますが、職場の人間関係や過労、睡眠不足、転勤等の環境の変化、介護、受験のストレス、家族との死別のほか、出産昇進といったポジティブな変化でも発症につながることもあります。

 

いつもは元気な人が、いくつかのストレス要因が重なることで精神的に負荷がかかり、うつ病を発症することもあります。ストレス社会を生きている私たちは誰しもうつ病になる可能性があると言えるかもしれません。ですから、うつ病と診断されても過度に自分を責める必要はありません。まずは心身の回復をすることを優先にしてください。

■休職期間はどのくらい?復職はできる?

 

うつ病の治療は、主に休養・薬物療法・精神療法の3つです。休職して治療に専念したいけど、休職前・休職中の人は「どのくらいでよくなるんだろうか?」と不安に感じているかもしれません。

 

復職までにかかる期間は疾患の程度によるところが大きいのですが、一般的には以下のように言われています。

 

・軽度のうつ病…約1か月程度の休職

軽度のうつ病の症状は、興味の喪失、気力が減退する、体の疲れ、食欲の異常、不眠、集中力低下、疲労感といった症状のうちいくつかが起こります。このような症状が1日中・2週間以上続いていても何とか出社して仕事をしている場合、軽度のうつ病を診断される可能性があります。仕事を休むことで肉体的にも精神的にも休息をとれば、心身は次第に回復していきます。

 

・中等度のうつ病…3~6か月程度の休職

一般的なうつ病の症状が複数起こります。中等度のうつ病は、心身がかなり疲労している状態です。仕事のミス、遅刻や早退が増えることがあります。そして強いストレスを感じるような職場で働き続けると、重度のうつ病に進行してしまう可能性があります。長く働く上で、自分の健康状態を良好に保つことはとても大切なことです。しっかり休養してください。そして、職場復帰が考えられる時期になったら復職準備を進めていきましょう。

 

・重度のうつ病…1年以上の休職

重度のうつ病と診断されたら、早期に休職して治療に専念する必要があります。復職までは平均1年~1年以上の長い時間を要します。

 

休職して、復職はできるの?

結論から言うと、うつ病から回復して元気に復職して働いている方は沢山います。しかし注意してほしいのが、60%という「うつ病の再発率の高さ」です。数回の再発を繰り返すと、さらに再発率が高くなると言われています。

 

自己判断による通院・服薬の中断は再発リスクを高めます。復職後、「これ以上会社に迷惑を掛けるのは申し訳ない」と、職場に遠慮して通院を止めてしまう人がいます。ですが、再発してしまっては会社や同僚へ迷惑をかけることになりかねません。薬や通院を減らすタイミングは主治医の先生によく相談することが大切です。

■職場復帰の不安を減らすための3つのポイント

ポイント1.まずは心身を整えることから

急性期の辛い状態が次第に終わり回復期に入った方は、次第に「早く職場復帰しなければ…」と焦りを感じるようになっているかもしれません。しかし焦りは禁物です。うつ病の症状が回復したからといっても、仕事が再開できる心身の準備ができているとは限らないからです。

 

自宅療養で日中横になっている時間が多かった人は、復職に向けて睡眠・起床の生活リズムを取り戻すことから始めましょう。まずは出勤する時と同じ時間に起き、近所を散歩したり、カフェや図書館などに通ったりして、日中の活動時間を延ばしていきましょう。始めのうちはすぐに疲れたり、本を読んでも内容が頭に入ってこなかったりするかもしれません。それでも毎日地道に続けることで体力や集中力が少しずつ回復していきます

 

ポイント2.専門医に職場復帰のタイミングについてアドバイスをもらう

少しずつ職場復帰の自信がついてきた頃合いを見て、主治医に「会社に戻る準備をしたい」と意思を伝えましょう。主治医は本人の意思を確認した上、実際に職場に戻るのに十分な状態かを判断します。

 

復職後に予定している業務内容や、利用できる会社の制度(例えば、はじめのうちは「試し出勤ができるか」など)を伝えると、主治医も正しく理解できるでしょう。また、職場復帰にあたり会社から短時間勤務や超過出勤をしないなど就業上の配慮が得られれば再発の予防になります。復職のタイミングや仕事の調整などは人事部や上司とよく相談して決めましょう。

 

ポイント3.職場復帰支援プログラムを活用してみる

「療養が長く、本当に職場復帰できるのか不安になってきた…」

「職場に戻るとうつ病が再発しないだろうか?」

と、職場復帰に少しでも不安を感じている方は、リワークを利用してみるのもよいでしょう。

リワークとは、return to workの略語です。精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムで、復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。(引用:一般社団法人日本うつ病リワーク協会

 

職場復帰時の不安を減らし、再発を防止する目的で沢山の方がリワークプログラムを利用しています。プログラムの内容は一人一人の課題に合わせて行われます。例えば、仕事に近い内容のオフィスワークや軽作業、復職後に精神疾患を再発しないための認知行動療法、SST、アサーションなどがあります。

 

また、休職になった時の働き方や考え方を振り返り、自分の気質やコミュニケーションの傾向を認識しトレーニングすることができます。

 

リワークプログラムは医療機関をはじめ、民間のリワーク施設公的施設(障害者職業センターなど)で受けることができます。施設によって費用は変わります。医療機関の場合は、自立支援医療制度の対象になるため自己負担額は軽減されます。民間のリワーク施設で障害福祉サービスとしてリワーク支援を行っている場合は、自己負担額は1日800円~2,000円で事業所によって異なります。ただし、ご自身の世帯収入に応じて月額上限が決められており、目安として、生活保護世帯や300万円以下の場合は0円、300万円~600万円の場合は9,300円、600万円超の場合は37,200円となっています。公的施設の場合は、費用はかかりません。

 

自分だけで職場復帰の準備をするのは根気の要る作業ですし、復帰後に再発しないかという不安はつきものです。こういった専門の支援機関では相談員が復帰準備から復帰後もサポートしてくれます。気軽に問い合わせてみてください。

■まとめ

うつ病は「一日中気分が落ち込んでいる」「何をしても楽しめない」「意欲が湧かない」といった精神症状とともに、不眠症、食欲減退、強い疲労感といった身体症状が起き、仕事や日常生活に支障をきたす疾患です。脳内の機能がバランスを崩していることが原因ですから、「気の持ちよう」と思わずにしっかり治療をすることが必要です。

 

うつ病の方は「休職で周りに迷惑をかけているから、早く復帰しなければ」と焦りを感じているかもしれませんが、復職後は試し出勤などの制度があれば利用し、無理をしてうつ病を再発するリスクを下げましょう。忙しいからと会社に遠慮して通院や薬を止めてしまうのもリスクを高める行動です。必ず主治医の指示に従い、治療は続けてください。

 

自分だけで復職の準備を進めることに難しさを感じる方は、主治医に相談の上リワークプログラムを利用してみるのもよいでしょう。職場復帰時の不安を減らし、再発を防止するためのプログラムです。

自分に適した方法を探しながら、職場復帰に向けて心身の準備を進めていってください。あなたが復職の不安を解消し、再発リスクを管理して「自分らしく働く未来」を心から願っています。

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