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「なかなか仕事が続かない…」と悩む、双極性障害の方に

若者や有名人が発症したというニュースを耳にすることが増えた双極性障害。躁(そう)状態とうつ状態を行ったり来たりする病気で、以前は躁うつ病と言われていました。

「躁状態」のときは休むことなく仕事をやり続け、その反動で「うつ状態」では仕事に行く元気もない…そんな振れ幅の大きな行動を繰り返すので、安定して長く働くことに難しさを感じている双極性障害の方も少なくありません。

「なかなか仕事が続かないがどうしたらいいのか」「どんな仕事が向いているのか分からない」「今の会社で働きつづける自信がない」このような思いを抱えている方に、双極性障害と上手に付き合いながら長く働くコツを解説していきます。

 

 

[目次]

■双極性障害の症状は?仕事への影響は?

■双極性障害の人に向いている仕事・向いていない仕事

■双極性障害と上手に付き合いながら復職・転職するときの5つのポイント

■双極性障害の症状は?仕事への影響は?どんな人がなりやすい?

 

①双極性障害とは?

双極性障害とは、気分が高まったり落ち込んだりという、「躁状態」と「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。

激しい躁状態とうつ状態を繰り返すのが「双極Ⅰ型」、比較的軽い躁状態とうつ状態を繰り返すのが「双極Ⅱ型」です。

 

 

・うつ病と見分けが難しい双極性障害

かつて双極性障害は「躁うつ病」と呼ばれていたこともあって、うつ病の一種だと誤解されがちです。しかし、うつ病と双極性障害は異なる病気です。

 

実際、うつ病と診断された患者の10人に1人が、後々双極性障害に診断名が変わると言われています。

双極性障害になると、うつの時期は長期に渡る一方で、躁の時期は比較的短く終わる傾向にあります。また、本人は躁状態のときは調子がいいと感じていて、病気の症状だとは認識していないケースもあるのです。

そのため、この疾患はうつ病であると本人も医師も誤認して、双極性障害の診断が遅れるようです。

 

うつ病の治療薬を服用しても一向に治らない…そんな方は、もしかしたら双極性障害かもしれません。以下が双極性障害の方に現れる「躁状態」の特徴です。

 

・躁状態の主な症状

自信満々になる(気が大きくなり周りと口論を繰り返す場合も)

休息や睡眠がなくても平気になる

おしゃべりになり、誰彼構わず話しかける

とても行動的になる

注意散漫になる

衝動的に高額な買い物をする、性的に奔放になる 等

 

・一方、以下がうつ状態の主な症状です。

気分が1日中落ち込む

不眠症か、もしくは寝てばかりいる

意欲が減退する

物事に興味が湧かない

疲労感

死んでしまいたくなる

 

・双極性障害にはⅠ型とⅡ型がある

双極性障害は大きく分けて「Ⅰ型」と「Ⅱ型」があります。

 

双極性障害「Ⅰ型」では、激しい躁状態が起き、無自覚に周囲の人を傷つけてしまうことがあります。会社で同僚や上司と口論を起こして失職する、パートナーを激しく批判し関係が壊れ離婚に至るなど、本人が築き上げてきた人生を破壊してしまうケースもあります。1型は比較的わかりやすい双極性障害です。

 

双極性障害「Ⅱ型」は、上記に上げたような躁症状が軽く現れます。そのため、うつ症状の方が目立ち、「うつ病」と誤診され慢性化しやすい傾向にあります。

 

②仕事への影響

仕事面での影響では、「会社の上司と大喧嘩して辞表をたたきつけてしまう」「尊大な態度で同僚・部下を傷つけるような態度を取り職場を氷つかせる」などの行動をしてしまい、社会的信頼を失うことがあります。うつ状態になると、うつ病と同じように死にたいと思うような苦しい気分になるのですが、躁状態の時自分がしたことへの自己嫌悪も加わり、さらにつらい気持ちになってしまいます。

 

また、「躁状態のとき気持ちが大きくなり、遂行できない仕事をつい引き受けてしまう」という傾向があります。躁状態になっていると休みや睡眠をとらなくても仕事がはかどるため、つい仕事を多く引き受けがちです。

しかしひとたびうつ状態になると体力・気力・集中力を失います。仕事のペースがとても遅くなります。職場の同僚や上司から「あいつは気分の浮き沈みが激しすぎる」「スパンの長い仕事は任せられない」と判断され、昇進に関わることもあるようです。

■双極性障害の人に向いている仕事・向いていない仕事

それでは、双極性障害の人に向いているのはどんな仕事でしょう。

双極性障害は精神疾患の中でも治療法が比較的整っています薬で症状をコントロールし、再発を予防しながら会社に勤めることは十分に可能ですし、実際に症状と上手に付き合いながら働いている人も沢山います。

 

双極性障害の方は、自分のペースでできる業務であれば続けやすいようです。また、はじめから他人と協調する必要がない業務であれば、躁状態のときに招くトラブルなどを軽減できます。

 

事務職、文字入力、在宅ワーク などは向いていると言えます。

 

逆に避けた方がよいのは生活リズムが安定しない仕事です。

早朝勤務や深夜勤務といったシフト勤務は、生活リズムの乱れにより双極性障害の再発リスクを高めます。2交代制の工場勤務や夜勤のある看護・介護職は避けましょう。また、対人関係でのトラブルを引き起こす可能性があるという意味では 営業職、販売業、飲食店での接客業も避けた方が無難です。

 

その他、予防療法の第一選択薬であるリチウムの副作用に「手の震え」があります。そのため細かい手作業が難しくなる人もいます。

 

■双極性障害と上手に付き合いながら復職・転職するときの5つのポイント

 

薬物治療などで次第に回復に向かい、「寛解期(かんかいき)」といわれる症状の安定した時期にいる人もいます。しかし、双極性障害は再発しやすい傾向があるため、長期にわたる再発予防治療が必要となります。

 

双極性障害を完全に克服するというよりは、「双極性障害と気長に付き合いながら、長く働ける環境を整えていこう」と考えるようにしていきましょう。ここでは双極性障害と上手に付き合いながら復職・転職するときの5つのポイントを解説します。

 

ポイント1.食事と睡眠のリズムを整える

双極性障害の方は、躁状態とうつ状態が不定期に訪れるため体内時計が乱れやすいとされます。体内時計が乱れると、入眠障害や中途覚醒などの睡眠障害を引き起こし、双極性障害が再発するリスクが高まります

 

同じ時間に起床・食事・就寝を取り、生活のリズムを整えましょう。できるだけ一定のスケジュールで生活することが疾患の安定化に効果的です。就寝前はカフェインなどの刺激物を摂取せず、入浴などによりリラックスした気分になるよう心がけましょう。日中に適度な運動をして、太陽の光を浴びることも効果的ですね。

 

ポイント2.できるだけ残業を控える

双極性障害の再発を防ぐためには、気分の波を減らすことが大切です。できるだけ深夜の残業などの精神的興奮状態が続くことを避けるようにして下さい。とはいえ、躁状態のときは自分で気づかないこともあります。ですから、「残業が続いていたら私に注意喚起をしてください」と、周りの方にお願いするとよいでしょう。

 

ポイント3.専門医のもとで治療を続ける

双極性障害の治療は、主に薬物治療と心理社会療法があります。「躁状態」の時と「うつ状態」の時、症状が安定している「維持期」とでは治療法も違います。症状が多様な双極性障害は特に薬の使い分けが難しいので、主治医によく相談して治療を受けましょう。

 

また、「躁状態」になると自信を取り戻し、勝手に服薬を怠るケースが見られます。しかし、それでは症状が再発し、再び会社に迷惑をかけることになりかねません。定期的に診察を受け、薬を飲むことも仕事のうちと考えるようにしましょう。

 

服薬に関して何か疑問が生じている場合は、自分の判断で服薬を止めることはせずに、必ず主治医に相談してくださいね。

 

ポイント4.転職活動は症状が落ち着いている時に

転職活動をする際は、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。躁うつの波がまだ激しいときに転職活動をするのは禁物です。

 

通常の転職活動が難しいと感じる場合ハローワーク人材紹介会社(障害者専門の転職エージェントなど)で紹介してもらい、障害者雇用枠の仕事に就くのもおすすめです。ハローワークには障害者専門の窓口があります。近年障害者雇用の増加から障害者専門の転職エージェントなども存在しています。障害者の積極的な採用を行っている会社の求人に応募することができ、基本的に無料で仕事を紹介してもらえるので積極的に利用してみましょう。

 

ポイント5.職場復帰支援プログラムを活用してみる

職場復帰や転職活動に不安を感じている方は、リワークを利用してみるのもよいでしょう。

リワークとは、return to workの略語です。精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです。復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。(引用:一般社団法人日本うつ病リワーク協会

 

仕事に近い内容のオフィスワークや軽作業、復職後に精神疾患を再発しないための認知行動療法、SST、アサーションなどさまざまなプログラムが行われます。休職になった時の働き方や考え方を振り返り、自分の気質やコミュニケーションの傾向を認識しトレーニングで改善することで、適切な職場復帰と症状の再発を防止することが狙いです。

 

リワークプログラムは医療機関をはじめ、民間のリワーク施設公的施設(障害者職業センターなど)で受けることができます。施設によって費用は変わります。医療機関の場合は、自立支援医療制度の対象になるため自己負担額は軽減されます。民間のリワーク施設で障害福祉サービスとしてリワーク支援を行っている場合は、自己負担額は1日800円~2,000円で事業所によって異なります。ただし、ご自身の世帯収入に応じて月額上限が決められており、目安として、生活保護世帯や300万円以下の場合は0円、300万円~600万円の場合は9,300円、600万円超の場合は37,200円となっています。公的施設の場合は、費用はかかりません。

 

■まとめ

双極性障害は「躁状態」と「うつ状態」を繰り返すことで、仕事や日常生活に支障をきたします。ハイテンションな「躁状態」になると、気づかぬうちに周りの人を傷つけ本人が築いてきた社会的地位を失うこともあります。

 

再発率が高い面もあるので、「気長に付き合いながら、安心して長く働ける環境を整えよう」と考えるようにしましょう。自分の疾患をまずは自分が理解し、そして周囲にも理解してもらい、上手に付き合う気持ちで根気よく向き合うのが、長く仕事を続けていく上で大切です。

 

ですがもし、仕事が長く続かない…など悩んでいるのなら、医療機関・民間機関などの支援サービスを活用するなどしてみてください。例えばリワークは、休職になった時の働き方や考え方を振り返り、自分の気質やコミュニケーションの傾向を認識することができます。適切な職場復帰と症状の再発を防止するために、たくさんの方が利用しているので、自分らしく働く足掛かりにして行ってくださいね。

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