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ストレスマネジメントの方法を学べばメンタルヘルス不調になりにくい理由

“ストレスマネジメント”とは、自分のストレス状態に対処し上手に付き合う方法のことです。私たちは日常的に多くのストレスにさらされています。労働者の半数が働くことにストレスを抱えており、精神疾患による休職者と離職者が増加している昨今、注目を集めているのがストレスマネジメントです。社会状況の不安定さや人材不足が慢性的に続くであろう日本において、ますまず重要視されていくと考えられています。

今回はストレスマネジメントの基本や、種類、実践方法についてご紹介していきます。

 

[目次]

■ストレスマネジメントとは?

ストレスマネジメントの基本的な考え方と、一人でできるやり方

■企業でのストレスマネジメントの具体的な取り入れ方は?

■ストレスマネジメントとは?

・ストレスの正体とは?

「ストレスがたまるから」「ストレス発散で飲みに行きましょう」などと、私たちは日頃からストレスという言葉を使います。ところで「ストレス」とはそもそも何なのでしょう?

 

医学的には“外圧に対して、身体が懸命に持ちこたえようとする防御反応”と言い、何かの不快な刺激(ストレッサー)に対して心身が反応している状態(ストレス反応)をいいます。この、ストレス反応が起きることは正常な現象なのですが、慢性化するとメンタルヘルス不調や精神疾患を引き起こすことが知られています。

 

 

・ストレスの原因とは?

ストレスの原因(=ストレッサー)は、次の5つに分類することができます。

 

身体的ストレッサー:病気や体調不良、睡眠不足や身体的な疲労など

心理・社会的ストレッサー:人間関係、仕事でのプレッシャー、経済的不安など

物理的ストレッサー:照明や騒音、気温など

科学的ストレッサー:有害物質、大気汚染など

生物学的ストレッサー:ウイルス、花粉など

 

 

過度なストレスは不安、抑うつ症状などを引き起こします。

うつ病、双極性障害、パニック障害などがある場合は、過度なストレスにより病状が悪化することがあり、特に注意が必要です。

 

 

・ストレスマネジメントが注目されている背景とは?

我が国の25%以上の企業において、「過去1年の間にメンタルヘルス不調が原因で休職した・もしくは退職した人がいる」こと、「毎年2万人~3万人いる自殺者のうち、約10人に1人が勤務問題を要因としたもの」であることが厚労省の調べで分かっています。

勤務問題を要因とする自殺には、様々なきっかけがあるものの、その多くは、「メンタルヘルス」が大きく関係していることは間違いないでしょう。

 

うつ病や双極性障害などの気分障害は、発症の主な原因の多くは「ストレス」にあるとされています。最悪の場合、自殺などに至ることがあるため、国を挙げてストレス対策の整備が急がれています。我が国では働く人のメンタルヘルス不調の防止対策を推進しており、多くの指針やガイドラインを打ち出しました。数年前から広く知られるようになったストレスチェック制度もこれらの対策の一部です。

 

ストレスチェックは実施すれば終わりではありません。本人から面接指導の申し出があった場合、医師による面接指導の実施が必要となりますし、社員がストレスを溜め込むことのないよう、職場環境の改善が求められます。

しかし、事前にストレスマネジメントの研修を行うことにより、退職や休職を予防し、それらに伴う損失を防ぐことができるので、企業にとっては大きなメリットとなるのです。

 

(リンク)メンタルヘルス不調のサインとは?仕事でストレスを抱えている人がすべき5つのこと

(リンク)職場でのメンタルヘルス不調を予防するために【3つの段階と4つのケア】

ストレスマネジメントの基本的な考え方と、一人でできるやり方

 

私たちは生きている限り、ストレスにさらされます。現代的な生活をしている以上、ストレスの原因から逃れることは現実的ではありません。従って私たちに必要なのは、自分のストレスへ適切な対処をすること、そしてストレスと上手に付き合っていくことになります。

ストレスマネジメントのやり方は、大きく分けて「セルフモニタリング」と「ストレスコーピング」の2段階に分かれます。

 

・セルフモニタリング

セルフモニタリングとは、自分の気持ち、体調の変化などを継続して記録することです。例えば、「来週の飲み会に誘われたけど断れなくて憂鬱だ」などと、「いつ・どこで・どのようなストレスを感じたか」をノートに残しておくことで、ストレスを整理できます。

日々の変化の記録をとっていくことで、心や体調の変化に気づきやすく、早期発見・早期対処につながります。また、自分の心境を見つめ直す時間をとるということ自体が気持ちを癒し、心が軽くなる場合もあります。ストレスを感じやすい方はやってみてください。

 

・ストレスコーピング

ストレスコーピングとは、ストレスを軽減させる対処法のことです。ストレスマネジメントと混同されやすいのですが、これはストレスマネジメントの手法の一環です。

ストレスコーピングは、大きく分けて次の4種類があります。

 

  • 問題焦点型コーピング

ストレスの原因となっている問題自体を解決するやり方です。

例)業務量を減らす、目標達成の難易度を下げる、職場の環境を整える

 

  • 情動焦点型コーピング

ストレスの原因に対する怒りなどの感情を外部に出し、気持ちを整理する方法です。

例)気心知れた友人に話す、メンタルヘルス電話相談を使う

 

  • 認知的再評価型コーピング

問題の解決ではなく、その問題に対する「自分の考え方・物事のとらえ方」を調整する方法です。ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えていくのです。

例)飲み会を断れず気が重かったが、「自分が人から好かれている証拠だ」と捉えてみる

 

  • ストレス解消型コーピング

ストレスの発散を行う方法で、ストレス反応そのものに対処します。

例)睡眠時間を増やす、リラクゼーション、ストレッチや運動など

 

■自分でできるストレスマネジメントは?

ここからは、自分でできるストレスマネジメント、セルフケアの例をご紹介します。

 

①まず、ストレス反応に気づく

自分自身のストレス反応に気付き、客観的に現在の状態やストレスの原因について考えます。

 

・精神面に起こるストレス反応

精神面の反応には、急性のものと慢性のものがあります。

急性の精神的反応…集中力・判断力・記憶力の低下、うっかりミスが多い、気持ちの切り替えができない など

慢性の精神的反応…心因性のうつ病、不安神経症、統合失調症 など

 

・身体面に起こるストレス反応

精身体面に起こる反応にも、急性のものと慢性のものがあります。

急性の身体反応…過呼吸、めまい、血圧の上昇、心拍の増加、頭痛、胃痛、吐き気、発疹 など

慢性的な身体反応…過敏性腸性症候群、円形脱毛症、喘息、胃潰瘍 など

 

・行動面に起こるストレス反応

飲酒・喫煙の増加、不安からの逃避、引きこもり傾向、薬物利用、不眠、攻撃的になる など

 

この様な反応がないか気を付けてみましょう。

 

 

②ストレスの内容を書き出してみる

原因が分からないけどイライラする…そのような場合でも、すこし客観的に考えると分かることもあります。ストレスの原因が分かれば対処の仕方も見つかるので、ストレスに気付くことが大切なポイントなのです。

 

  • しっかり睡眠・休息をとる

睡眠とメンタルヘルス不調には密接な関係があります。理想的には6.5~7時間くらい眠れるとよいですが、多忙な毎日の中では難しいこともあるので、平日6時間の睡眠を確保するのがおすすめです。

6時間以上の睡眠を取ると、日中の眠気と疲労感が改善・ストレスを感じにくくなる・うつ状態に至るリスクを減らす ことが医学的に明らかになっています。

 

眠りが浅い場合、20~30分のウォーキングを週2~3回行うだけでも改善が期待されます。また、夕方以降のカフェイン摂取は入眠障害を起こしやすいので避けましょう。寝酒は寝つきが良くなりますが、かえって眠りを浅くします。適量にして、節度のある飲み方にしましょう。

 

  • 気晴らしをする

休日にはジョギングなどの運動、旅行、ショッピング、映画鑑賞のような趣味や娯楽を楽しむ時間を意識的に作りましょう。日々のなかでもストレッチ、深呼吸(腹式呼吸)、音楽を聴く、ゆっくり入浴する、ヨガをする、瞑想などのリラクセーションタイムを取り入れることも効果的です。

■企業でのストレスマネジメントの具体的な取り入れ方は?

 

メンタルヘルス不調の増加が問題となっている今、一人ひとりがストレス状態に気づき自分で対処できる正しい知識を身に着けることが必要です。そして管理者が中心となって労働環境の適正化など、根本的な職場のストレス要因の軽減に努める必要があります。

ここでは、企業ができるストレスマネジメントの例を紹介します。

 

①職場環境の改善

厚生労働省の指針によると、50人以上の従業員を有する企業は、ストレスチェックのための調査票を使い、どの部課所がどのようなストレスを感じているのかを把握し、環境を改善するべきとあります。

 

②仕事量を一人一人の資質に合わせて調整する

取り組むことができる仕事の量や質は、その社員の資質により一人一人異なります。また健康状態や介護や育児などプライベートの状況により変化します。社員それぞれの資質や状況に合わせて、ストレスのかかりすぎない仕事配分を行うことが重要になります。

また、残業が習慣化してしまっている場合、部課所ごとの平均労働時間を調査したり、「ノー残業デー」を設けたりして、職場全体で従業員の心身の健康を守る取り組みを行うことが重要です。

 

③ストレスマネジメントの教育を行う

社員に対してストレスマネジメント教育を行うことも非常に有効です。自分のストレスに気づき、セルフケアする方法について教育すると良いでしょう。もし、自社に研修ノウハウがなければ、外部研修に頼るのも一つの手段です。

 

④外部の機関やサービスを使う

外部資源を活用したケアとは、外部EAP(Employee Assistance Program)をはじめとする事業場外の様々な機関や専門家が行なうメンタルヘルス対策のサポートです。外部の専門家の意見を聞きたい場合に効果的です。長期的に企業のメンタルヘルス対策に取り組むためには、日ごろから速やかな連携が得られる外部組織とのネットワークを構築しておくことが重要になります。

 

例えば、医療機関や民間の事業所で行われるリワークは、精神疾患のため休職している社員に対し、職場復帰に向けたリハビリテーションを実施するプログラムです。仕事に近い内容のオフィスワークや軽作業、認知行動療法、SST、アサーションなどさまざまなプログラムが一人一人の状態にあわせて行われます。

休職になった時の働き方や考え方を振り返り、自分のメンタルヘルス管理能力を向上することで、適切な職場復帰と症状の再発を防止することができます。

■まとめ

“ストレスマネジメント”とは、自分のストレス状態に対処し上手に付き合う方法のことです。現在、我が国の労働者の半数が働くことにストレスを抱えており、メンタルヘルス不調の増加が問題となっている今、一人ひとりがストレス状態に気づき対処できる正しい知識を持つと同時に、管理者が中心となって労働環境の適正化など職場のストレス要因の軽減に努める必要があります。

ストレスマネジメントは個人で行えるもの、企業が行うものがありますが、自社に研修ノウハウがない場合や、長期的にメンタルヘルス対策を考えていきたい場合、外部の機関やサポートを活用するのもよいでしょう。

 

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