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精神疾患のことを職場に伝える?「オープン就労」「クローズ就労」とは

障害のあることを企業に開示して就労するのが「オープン就労」、企業に非開示で就職するのが「クローズ就労」です。今回は精神障害や発達障害を持つ人が働く上で避けて通れない「障害を開示するか、あえて開示せずにしておくか、どちらにするか」という悩みに焦点を当てます。

会社も、そして障害も一つ一つ異なるので一概にどちらがいいと結論づけることはできません。しかし、あなたが「なかなか仕事が長続きしない」「障害で会社に迷惑をかけるのが辛い」と感じているのならこれからの働き方の参考にしてみてくださいね。

 

[目次]

■オープン就労・クローズ就労とは?

■オープン就労のメリット・デメリット

■クローズ就労のメリット・デメリット

 

 

■オープン就労・クローズ就労とは?

 

オープン就労では障害のことを開示し就労することを言います。障害者雇用枠を持つ企業の求人にも応募することができます。

一方、クローズ就労は障害のことを開示せず、一般採用枠で就労することをいいます。

障害のことを開示すること、開示しないことで、それぞれメリット・デメリットがあります。これは後ほど紹介していきます。

 

・転職のゴールは「採用されること」ではなく「職場に定着できること」

オープン就労・クローズ就労、どちらがよいのかは一概には言えません。障害の程度は人により、一般採用枠で戦える人もいれば、障害者雇用枠でないと難しい人もいます。1つの基準として、「自分の特質上、長く働き続けることができるのはどちらか」といった視点で考えるとよいでしょう。

 

ここでは「いかに自分を客観視するか」がポイントになります。治療が上手くいき、気持ちが前向きになることは本当に喜ばしいことです。しかし、なぜ精神障害になったのか(もしくはどのような特質があるのか)に気付かないまま再就職すると、前と同じような失敗をする可能性も高くなってしまいます。

 

実際のところ、精神障害者を積極的に採用する企業は増えていますが、採用後の「定着」にはまだまだ課題があると言えます。精神障害者は職場での定着率が低く、働き始めた精神障害者のおよそ50%が1年以内に退職していることが厚生労働省のデータより明らかになっています。

転職に何度も失敗すれば、「自分は働くことが向かないのかもしれない」と、どんどん自信を失ってしまうことになりかねません。再就職のゴールは「採用されること」ではなく「職場に定着できること」だと考えるようにしてくださいね。

 

人は自分を客観的に見ることは難しいものです。特に、向上心が高く、頑張り屋な人ほど「自分はもっとできる」とよく見せようとしがちです。ですが第三者からの意見を取り入れることで次の転職がより良いものになりやすいですし、今まで気づかなかった自分の得意分野に気付くきっかけにもなります。転職や休職期間は自分にあった働き方を見つめなおすチャンス。ハローワークの専門窓口や就労移行支援事業所、自立支援事業所など、様々な支援機関にサポートをもらうこともできるので、積極的に使ってみるようにしてください。

 

再就職する上でのポイントや利用できる支援機関はこちらを参考にしてみてください。

リンク→メンタルヘルス不調が回復して再就職に必要な5つのこと

 

 

 

 

■オープン就労のメリット・デメリット

オープン就労・クローズ就労のどちらにしようかと悩むのは、比較的軽度の障害者の人でしょう。
障害を開示するオープン就労ですが、結論から言うとオープン就労の方が職場に定着しやすいようです。

 

・オープン就労のメリット

●障害に対して配慮されやすい

事前に障害があることを伝えた上で採用されているので、もし症状が出ていて調子が悪い時も上司に相談しやすいです。特に、うつ病や統合失調症などの精神疾患は症状に波があり、やむを得ず急な欠勤をすることもあるかもしれません。欠勤した際は職場の誰かにフォローしてもらう必要があるので、障害のことを職場に理解しておいてもらうことが必要です。

発達障害の一種で知られるADHA(注意欠陥多動性障害)がある方は、注意散漫になりやすいという特性があります。症状の出方には個人差があり一概には言うことはできませんが、例えば人を乗せた車の運転のある送迎のような仕事はあまり向いていると言えません。またマルチタスク(同時に複数の仕事を進める)の仕事はミスをしやすい傾向があります。事前に「不得意な仕事・特異な仕事」内容を職場に伝えることでトラブルを減らし、仕事が上手くいかないというストレスで二次障害になる確率も減らすことができます。

●障害のことを隠して働く罪悪感がない

障害があることは何ら責められることではありません。しかし、障害があることを開示せず働くことに対し「なんとなく罪悪感がある」「職場にバレる気がして落ち着かない」などと、居心地の悪さを感じる人もいます。オープン就労の場合、そのような心苦しさを感じず働くことができます。

●通院・薬の服用について理解がある

通院が必要な場合、通院のための早退・欠勤をしやすいといったメリットもあります。
また「職場で周りの目が気になって、昼休憩中に会社で薬を飲めない」と感じる方もいますが、あらかじめ薬を服用することを伝えておけば、その様な不安も軽減するのではないでしょうか。

●定着支援が受けられる

精神障害者の半数が1年以内で退職している(定着率50%)ことは先ほど述べましたが、
障害者職業総合センターが発表している1年の定着率を参考にしてみると、違いが明解になります。

障害者雇用枠・オープン就労(定着支援あり) ⇒ 70%(定着率)
一般採用枠・オープン就労(定着支援あり) ⇒ 64%
障害者雇用枠・オープン就労(定着支援なし) ⇒ 51%
一般採用枠・オープン就労(定着支援なし) ⇒ 28%
一般採用枠・クローズ就労(定着支援なし) ⇒ 23%    ※障害者職業総合センター調べ

ジョブコーチなどの支援者が、精神障害者が職場に定着するために職場との間に立ち調整等を行うことで定着率が70%にまで上がっています。逆にクローズ就労で定着支援がないと、大半が辞めてしまうということもデータから見えてきます。

・ではオープン就労のデメリットは?

一般の雇用枠に比べ、障害者雇用の求人件数は少なく、仕事の内容も限られています。
障害者雇用枠の仕事は短時間労働のものが多いです。また、清掃や工場の軽作業などといった職種では昇進・昇格が少々難しいのも事実です。

ただ障害が軽度の人の場合は、必ずしも障害者雇用枠に応募する必要はありません。障害のことを開示しながら、一般採用枠で戦っていける人も沢山います。
応募時に障害のことを伝える際は、「その欠点をカバーするために前職ではこのように工夫していた」「その結果、このように職場に貢献することができた(もしくはできると思う)」を正確に伝えるようにします。

どんな転職活動にも通じることですが、“自分を採用することで企業にもたらすことができるメリット”を伝えることが重要です。そういった意味でも、転職活動をする際には自分が持つ障害の特質を客観的に見つめ、どのように工夫すればよいのかを整理しておく必要があります。

 

〈オープン就労のまとめ〉

障害のことを事前に伝えて理解してもらっているため、配慮してもらいやすい。心身の状態が不安定な人や、定期的な通院が必要な人はオープン就労のほうが働きやすい。また、障害のことを隠しながら働く気まずさや罪悪感がない。
一般採用枠に応募する場合、障害の特質を上回るメリットや、欠点をカバーする工夫などを伝える必要がある。
障害者雇用枠は募集枠が少なく、短時間だけの仕事も多い。給料面も一般採用と比べると少なく、仕事内容も限られているが、安定して長く働きやすい求人が多い傾向にある。

 

 

■クローズ就労のメリット・デメリット

 

クローズ就労は、就職するとき企業側に障害のことを伝えずに入社し、一般の人と同じ様に働くことです。ただ定着率が低く、精神障害者と企業のマッチングが上手くいっていないケースがある。

 

・クローズ就労のメリットは?

  • 良質な求人が豊富にある

クローズ就労は自分の障害のことは伝えず、一般採用枠で応募し就労することです。障害者雇用枠に比べ幅広い職種、業種があります。賃金もオープン就労よりも高くなるケースがほとんどです。

 

  • 障害者扱いされない

良くも悪くも、障害者扱いされません。「気を遣われるのが嫌だ」という人は、障害を開示しない働き方が向いているかもしれません。

 

・デメリットは?

  • 精神障害に対する配慮がない

障害のことを伝えていないので、周囲の人もそれを知りません。障害のない人と同じように扱われますし、特別な配慮はされません。作業ペースが遅い場合や仕事についていけない時、周りから「仕事ができない人だ」という扱いを受ける可能性もあります。そして、期待される業務がこなせないことで「仕事が苦痛だ」と感じるようになります。

仕事のストレスが続けば、精神障害の再発や、二次障害につながります。

クローズ就労の定着率は30%を切っており、転職自体はできても、長く働き続けることが難しい傾向にあります。

 

  • 通院・薬の服用への理解がない

配慮するということを把握していないため、突然の体調不良に対応できません。一般就労の社員と同じ条件で働くため、通院のための特別な休暇を取ることは難しく、決まった時間に薬を服用することへの理解もありません。

 

  • 障害があることを隠して入社したことがバレるのではという不安が続く

中には、「障害のことが上司にばれたらどうしよう」「職場に秘密していることで罪悪感がある」という人もいます。

実際のところ、もし聞かれなければ、自分から積極的に障害のことを話さなくても法律的には問題はありません。そして、何かのきっかけで障害者だとバレたとしても、障害を理由に労働者を解雇することは法律上できません。

ただし病歴を詐称して入社した場合、話は別です。長期にわたる休職期間や前職の退職理由について聞かれた場合、事実を伝えないといけません。後から病歴詐称が発覚した際、最悪の場合は解雇につながってしまう可能性も否定できません。

 

〈クローズ就労のまとめ〉

一般の就職・転職と同じように多種・多様な仕事の中から選べる。給与面も高く、正社員では昇給・昇進があるものも多くやりがいがある。

しかし、障害があることを伝えず入社するため、仕事の内容やスピードについていけずストレスを抱えやすい。ストレスから症状の再発や、二次障害が起こることもある。体調や精神面に不安を覚える人にはクローズ就労はおすすめできません。

 

 

■まとめ

障害のあることを企業に開示して就労するのが「オープン就労」、企業に非開示で就職するのが「クローズ就労」です。それぞれメリット・デメリットをまとめました。

転職や休職期間は自分にあった働き方を見つめなおすチャンスです。性格や特質、自分の障害を理解し、自分にあった働き方や職種を見つけて活躍していってくださいね。

一人での転職活動に難しさを感じているときには、ハローワークの専門窓口や就労移行支援事業所、自立支援事業所など様々な機関がありますから、積極的に使ってみるようにしてください。

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