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職場の人がうつ病になったら?うつの同僚に使うべきではない意外な言葉とは?

うつ病は、メンタルヘルス不調の中でも代表的な病です。職場の同僚や部下がうつ病になったら、どのような言葉をかけてあげたらよいのでしょうか?

うつ病の人の辛さは 周囲から分かりづらいこともあります。時に 怠けたり、さぼったりしているように映ることがあるかもしれませんが、決してそうではありません。

 

職場の同僚・上司が病気に対して正しい知識を持たず不適切な対応をしてしまった場合、企業側が安全配慮義務違反に問われる可能性もあります。ですから、企業・従業員を守るためにも、メンタルヘルスに関して正しい知識を持っておくことは重要です。

 

今回は、うつ病の社員にかけてはいけない言葉・うつ病の人がかけて欲しい言葉の例をご紹介します。

 

[目次]

■職場の人がうつ病になったら

■うつ病の人にかけてはいけない言葉10選

■うつ病の人がかけて欲しい言葉は?

■休職を繰り返す社員にどのように対処したらよいか?

 

 

 

■職場の人がうつ病になったら

うつ病は日本では約15人に1人が一生に一度はかかる病気と言われています。過労や職場のプレッシャーからうつ病を発症する働き盛り世代の方も多いので、同僚がうつ病になって休職しているという方もいるかもしれません。

 

 

■そもそもうつ病とは?

うつ病は気分障害の一つです。「一日中気分が落ち込んでいる」「何をしても楽しめない」「意欲が湧かない」といった精神症状とともに、不眠症、食欲減退、疲労感といった身体症状が起き、仕事や日常生活に支障をきたします。うつ病は脳の機能に問題が起きている脳の疾患です

かつては「心の病」「心の風邪」だとされたことから、性格的なもの、気の持ちようだと誤解している方は、今も少なくはありません。

 

生活習慣病を治療しなければ、心臓病や脳血管疾患などの大病を引き起こすリスクが高まります。それと同様に、うつ病を始めとしたメンタルヘルス不調の症状も、放っておけば悪化し最悪の場合自死につながることもあります。

根性で何とかしようとしても治るものではないため、専門医によって診断・治療されないといけません。

 

■うつ病が仕事に及ぼす影響は?

うつ病になると心身に様々な症状が出ますが、職場においても支障をきたし始めます。

脳の働きが鈍くなるため、単純作業でも時間がかかったり、業務上のミスが増えたりします。以前はテキパキ仕事をしていた人も、病気になると以前のような仕事量がこなせなくなったりします。

また、コミュニケーションを避けたがり、会議での発言が減る方もいます

 

職場が多忙な時に、うつ病の社員がぼーっとしていたり、遅刻してくるのを見て、「自分だけさぼっているんじゃないか」「責任感が足らない」と、責めたい気持ちが湧きおこるかもしれません。しかし、それはうつ病の症状かもしれません。

当人はなりたくてそのような状態になっているのではないことを覚えておいてください。

 

 

■うつ病の人に使うべきではない言葉10選

 

うつ病を抱えている社員は、口には出さなくとも「自分は会社に迷惑をかけて申し訳ない」と、自責の念に駆られていることが多いものです。

つい、「頑張ってね」「はやくよくなってね」などと励ましたくなりますが、そのような励ましは かえって傷つける結果になることもあります。

ここではうつ病の人にかけてはいけない言葉と、その理由を紹介します。

 

 

  • 「がんばれ」

うつ病は、心身がヘトヘトでエネルギー切れになっている状態です。「がんばれ」と言われると、今の頑張りを全て否定されているような気持になります。

 

  • 「いつ頃治るの?」「早く良くなってね」

うつ病は風邪のように2~3日で治るものではありません。そして本人も、「また前と同じように働ける日が来るのだろうか…」と先が見えず、不安な気持ちでいっぱいです。聞いている側に悪気はなくても、「いつ治るの?」などの言葉は本人を焦らせてしまいます。

 

  • 「気にしすぎ」「考えすぎじゃないの」

うつ病になりやすいのは「完璧主義」で「責任感の強い」性格の人だと言われています。性格は変えようと思ってなかなか変えられるものではありません。

「辛さを誰にも理解してもらえない」と、落ち込ませてしまいます。

 

  • 「今日も元気ないじゃない、大丈夫?」

過度な心配も彼らにとってはプレッシャーになります。うつ病の人を気遣いたい場合、「今日も頑張ってるね。なにか困ったことがあったら、いつでも声かけてね」などと伝えてあげてください。

 

  • 「あなたは大変だと思うから、その仕事はやっておくよ」

うつ病の人は、腫れ物扱いされるのが辛いといいます。こちらは配慮のつもりでも、場合によっては「戦力外通告」と捉えてしまう可能性があります。

 

  • 「どうしたらいいか考えて」「間に合うように自分で調整して」

うつ病の症状が出るとミスも多くなり、なかなか勤務時間内に業務が終わらないこともあります。その調整を本人に任せきりにするとよくありません。なぜなら、責任感の強い人は残業や休日出勤してでも一人でカバーしようとし、過労から病気が悪化することがあるからです。

企業には安全配慮義務があり、労務管理の責任があるので、少なくとも規定の範囲内で体調に合わせた業務の配慮することが求められます。

 

  • 「任せて」「私が話聞いてあげる」などの頼りがいある言葉がけ

人情に厚い上司や同僚は、「自分が何とかしてあげよう」と考えがちです。その気持ちはとても素晴らしいのですが、うつ病の人の症状や辛さは同僚や上司が話を聞いてどうこうできるものではありません。自分が一人で助けようとはせず、人事や産業医などに相談して連携を取りましょう。

 

  • 「もっと前向きに考えたら?」

経験豊富な上司などは、部下が困っているとつい、「こうしたほうがいい」「ああしたほうがいい」とアドバイスしたくなります。ただ、上手くいっていないことに対してあれこれ修正されるようなことを言われるのは、誰にとっても気持ちのいいことではありません。

しかし、「誰かに話を聞いてほしい」と密かに思っている人も多いので、うつ病の社員が話をしたがっているのなら、聞いてあげてください。その時は「こうすべき」「ああすべき」という助言はせず、ただ「そうなんだね」と肯定的に聞くことに徹してみてください。

 

  • 「早く元気になって会社に来て。あなたがいないとみんな困ってます。」

元気な人にとっては励ましでも、うつ病の人にとってはプレッシャーに感じます。ますます自分を追いつめることになるので、「心配しないで、早く治すためにも、今はしっかり休んで治療してね。」などと言い換えてあげましょう。

 

  • 「そんなことでどうするんだ」「みんなに迷惑が掛かっているのが分からないのか」

うつ病の人を問い詰めたり、責めたりしてはいけません。「できるかぎりサポートするから大丈夫」「無理せず、いつでも声をかけて」「今はゆっくり休んでいいから」と寄り添うような言葉がけを選びましょう。

 

 

■うつ病の人がかけて欲しい言葉は?

どんな言葉がうつ病の人の心を軽くするのでしょうか?

 

  • 「悩んでいることがあれば相談にのるよ」

うつ病になると、孤独感や疎外感を感じやすい傾向にあります。そんな時、「いつでも相談にのるよ」「味方だからね」といった言葉は、本人を安心させることでしょう。

 

  • 「よく頑張ったね」

うつ病になると落ち込みやすく、自分に自信をなくしてしまうことがあります。「頑張ったね」という相手を肯定するような言葉は、「誰かに存在価値を認めてもらえている」と安心することができます。

 

  • 「急がなくてもいいよ。無理しすぎないでね。」

うつ病には「几帳面」で「真面目」な性格の方が発症する傾向があり、そのような方にプレッシャーを与えるような言葉がけをすると、症状が悪化させてしまうことが多いです。早く病気を治さなければと焦っている時、「ゆっくりでいいよ」「急がなくていいからね」という言葉は、うつ病の人をホッとさせます。

 

  • 「また会えるのを楽しみにしているね」「返信はしなくていいからね」

休職している社員にメールを送る際は、できるだけ負担にならないような短いメッセージを心掛けてくださいね。

真面目な人ほど、「返信しなくては」と思いますが、うつ病の症状には波があり、メールに返信するのも辛い時期もあるのです。

 

  • (死にたい、自分なんていないほうがいい、などと言ってきたら)「そんなことないよ」

うつ病になると、自分は生きている価値があるのだろうか…というような悲観的な思考になりがちです。

もし、「自分なんていない方がいい」などという言葉を言ってきたら、「そんなことはない」と否定してあげてください。

 

■休職を繰り返す社員にどのように対処したらよいか?

 

この昨今、企業内のメンタルヘルス不調者の増加が問題となっています。社員がうつ病などのメンタルヘルス不調から休職になると、組織の活力や生産性に影響を与えます。

特に働き盛りの社員がメンタル不調になると企業に与える影響は特に大きく、休職者1名当たりの年間追加コストは422万円(30代後半、年収約600万円の男性が6ヶ月間休職する場合・内閣府データより)と言われています。

 

社員一人ひとりが心の健康について正しい知識を持つと同時に、管理監督者が中心となり労働環境整備に努める必要があります。しかし、人事・労務部の方でメンタルヘルス不調から休職を繰り返す社員の対応などに悩みを抱えている方も少なくありません。

 

そんな時は、民間の福祉サービスなども積極的に利用してみてください。医師・当該職員以外の、第三者の専門家の意見を聞けることは大きな助けになります。休職を繰り返す社員には、リワーク支援機関などの活用を勧めるのもよいでしょう。

 

■まとめ

うつ病の同僚・部下にかけてはいけない言葉と、うつ病の方がかけて欲しい言葉を紹介しました。もちろん人によって捉え方に差があるので、一概に言えない部分もありますが、最も大切なのは相手を「理解し、寄り添おう」という姿勢です。

うつ病は、ストレスフルな現代ではいつ誰がなってもおかしくはない病気です。正しい知識と病気への理解を増やしていくことは、自分や身近な人、そして会社を守ることにもつながります。

メンタルヘルス不調から休職を繰り返す社員の対応などに悩みを抱える人事・労務担当者も少なくありません。

そんな時は、民間の福祉サービスなども積極的に利用してみてください。休職を繰り返す社員には、リワーク支援機関などの活用を勧めるのも有効です。

 

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