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「メンタルヘルス不調と仕事の両立」で悩んでいるあなたへ

メンタルヘルス不調になると、病気(もしくは治療)と仕事の両立について悩むことがあるかもしれません。病気と付き合いながら働くとき、仕事選びは重要ですよね。

 

ここではメンタルヘルス不調で仕事を退職・休職している方が仕事を探すポイント、仕事と両立する際に注意することについて解説します。

 

 

[目次]

■メンタルヘルス不調の方が長く続けやすい仕事

■「メンタルヘルス不調」と「仕事」を両立するポイント5選

■自分らしく働くために。活用できる支援やサービス

 

 

 

■メンタルヘルス不調の方が長く続けやすい仕事

 

メンタルヘルス不調と一口に言っても 病名や症状は違うため「精神疾患がある人はこの仕事に就くといい」といった職業はありません。

しかし、メンタル不調の方によく見られる仕事上のネックは「人間関係で悩みやすい」「症状に波がある」「心身が疲れやすい」「新しい環境に適応できるまで時間がかかる」などです。

仕事を探すとき、はじめ「職種」から探す人は多いですが、入社後は職種以外の部分で大変さを感じているようです。

 

 

  • 業務は得意でも環境によって能力が活かせないことも…

メンタルヘルス不調の方は人間関係の構築に時間がかかったり、コミュニケーションを取るのが難しかったりします。

実際の業務でいえば、自分のペースでコツコツ取り組める落ち着いた環境では能力を発揮しやすいですが、部署で協力して売り上げを上げたり、接客の様に多数の人とコミュニケーションを取らないといけない環境、ノルマ未達成やミスが許されない緊張感のある環境はストレスを感じやすいのです。

 

 

メンタルヘルス不調を抱える方が長く続けやすいのは、次のような仕事と言われます。

 

  • 自分のペースでできる仕事

コールセンターの受電や飲食店のホール係など、お客さんのペースに合わせて動く事が難しいと感じる人は多いです。そんな人は、自分のペースで進められる仕事がよいでしょう。

自分のペースでできる仕事の例は、事務員、ライター、ドライバー、警備員、職人などのモノづくりなどがあります。

 

  • 一人で進められる仕事

協調性が必要とされる仕事ができないわけではありませんが、メンタルヘルス不調を抱えている人から「関わる人が多い職場だと気疲れする」という声をよく耳にします。

自分一人で黙々と進められる仕事であれば、人間関係のストレスは少なくなるでしょう。

一人で進められる仕事の例は、清掃、工場の軽作業、ポスティングや新聞配達、エンジニアなどがあります。プログラミングやwebデザインは専門知識が必要になりますが、職業訓練校などで失業保険をもらいながら学び、転職する方もいます。

 

  • 在宅ワーク

現在は在宅勤務ができる企業も増えています。会社で働いていると、昼休憩のランチや雑談など、業務に関係のないコミュニケーションが出てきます。人間関係にストレスを感じる方は、在宅ワークがある仕事を選ぶのも一つの手です。

 

  • 定時であがれる仕事、短時間の仕事

例えば、web関係は会社によってはかなり忙しく、毎日夜遅くまで残業をすることになる可能性もあります。メンタルと体の状態は切り離せない関係にあります。常に忙しく、疲れが溜まり取れなくなりそうな職場は選ばないほうが賢明です。残業がない職場や短時間の仕事を選べば長く続けやすいでしょう。

 

 

■「メンタルヘルス不調」と「仕事」を両立するポイント5選

自分の症状や治療と仕事を両立する上でのポイントは何でしょう。ここでは5つにまとめて紹介します。

 

 

ポイント1.専門医のもとで治療を続ける

メンタルヘルス不調は繰り返しやすい傾向があります。いったんは症状が落ち着いたあとも、主治医の指示に従って治療が必要となることもあります。復職・転職に成功した後も「いつもと違うな」と気づいた時は、早めに専門医を受診することが再発防止につながります。

うつ病や統合失調症などで薬を服用している人は、忙しいからと言って自己判断で薬の量を減らしたり中止したりしないでください。

それらは再発を誘発して重症化の危険を高めますから、主治医と必ず相談して決めてからにしましょう。

 

 

ポイント2.体調管理を最優先に考え、無理しない

ぐっすり眠れること、美味しく食事がとれること、軽い運動をすること。健康管理ができていれば精神的にも落ち着き、仕事も長く続けやすいです。ストレスは心の健康の大敵なのですが、体調が悪い時に無理をしすぎることは大きなストレスになります。

 

せっかく転職したのに、また休職・退職になっては会社に迷惑が掛かります。体調管理も仕事のうちと考え、健康的な生活を心がけてください。そして、体調が悪い時は無理せず、会社に申し出て仕事を休む勇気も必要です。

6時間以上の睡眠を取ると、日中の眠気と疲労感が改善・ストレスを感じにくくなる・うつ状態に至るリスクを減らす ことが医学的に明らかになっています。体の疲れを感じたら、いつもより早く布団に入りましょう。

 

 

ポイント3.ストレスを発散できる趣味などを持つ

体調管理と共に、ストレス管理も大切です。自分のストレス状態に上手に付き合うことは、なにも難しいことではありません。休日の運動、旅行、ショッピング、映画鑑賞のような趣味や娯楽を楽しむ時間を意識的に作りましょう。

日々のなかでもストレッチ、深呼吸(腹式呼吸)、音楽を聴く、ゆっくり入浴する、ヨガをする、瞑想などのリラクセーションタイムを取り入れることも効果的です。

 

 

ポイント4.悩んだら信頼できる人に相談する

「自分にはこの職場が合わないのかな…」「上司から嫌われている気がする…」などといった悩みは働く上ではつきものです。そんな時、家族や友人に話を聴いてもらうだけで、心が楽になるものです。

職場で困っていることは、信頼できる先輩や同僚などに相談するのもよいでしょう。「自分は小さなことを気にしていたのかも」と気づけることもあります。

 

 

ポイント5.正社員にこだわらない

以前バリバリ働いていた人は、「絶対に正社員じゃないと」「月給●●万は稼がないと」と考えがちです。ですが、メンタルヘルスの治療をしながらの就職活動は、通常の人に比べて時間がかかるものです。

「絶対に●●でないと!」と気負わず、始めはアルバイトなどから始めて、生活リズムを整えていくというのも効果的です。

 

アルバイトの経験を通して自分の得手・不得手や、好き嫌いなどが分かるということもあります。また、アルバイトや契約社員などの非正規雇用で働いた後、正規雇用に変更できる企業もあります。

長期的な収入・生活なども検討しながら、自分に合った働き方をゆっくり模索するという意味でも、正社員にこだわらない再就職も選択肢として持っておくのもお勧めです。

 

 

■自分らしく働くために。活用できる支援やサービス

 

現在、民間・医療機関・公的機関では様々な障害者を支援する施策やサービスがあります。障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターは障害者の就労・自立に関して相談できる窓口です。

働く場所を探している時はハローワークの障害者専門支援窓口を訪ねましょう。障害者の積極的な採用を行っている会社の求人を無料で紹介してもらえます。

ソーシャルトレーニングから就職活動までを支援する就労移行支援事業所、リワーク機関などもあります。

 

障害を持ちながら働くこと、生きていくことに悩みや心配を もしあなたが抱えているのなら、障害者

支援機関や福祉サービスを訪ねてください。きっと力になってくれ、前に進めると思いますよ。

 

 

  • 職場復帰支援プログラム

最後に、メンタルヘルス不調の人が職場に復帰するためのプログラムが受けられる リワーク機関の紹介をします。

 

リワークとは、return to workの略語で、精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです。復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。(引用:一般社団法人日本うつ病リワーク協会)

リワークは、主に 医療機関、地域障害者職業センター、障害福祉サービス事業所(自立訓練など)で受けることができます。

 

仕事に近い内容のオフィスワークや軽作業、認知行動療法、SST、アサーションなどさまざまなプログラムを行い、復職できる心と力をつけるためスキルを身に着けていけます。

また、休職になった時の働き方や考え方を振り返り、自分の気質やコミュニケーションの傾向を認識しトレーニングで改善し、適切な職場復帰と病気の再発防止を図ります。

 

リワークを利用して再就職した場合、利用しなかった場合より再休職率が低いことが明らかになっています。

数か月という時間は必要になりますが、ストレスマネジメントやコミュニケーションスキル、自己管理能力を高めて準備をしっかりすることで、新しい職場で安定して長く働けることにつながるでしょう。

 

リワークについての情報はこちらの記事を参考にしてください。

休職中にリワークを利用することで得られる多くのメリット

 

リワークやハローワークなどの担当者は、メンタルヘルス不調に対する専門的な知識を持ち、あなた個人の特性を踏まえたアドバイスを行います。

 

責任感が強く、人に頼ることが苦手な人、話下手な人は「自分のことを話すのが恥ずかしい」と思うかもしれません。相談員は親身になって話を聞き、その人に合ったプランを一緒に考えてくれますから、二人三脚で転職活動をしていきましょう。

 

 

■まとめ

メンタルヘルス不調と仕事の両立のポイントをまとめます。

・医師の指示のもと治療を続ける

・自分の体調管理を優先する

・悩んだ時相談できる人を作る

・ストレスを発散できる楽しみを作る

・正社員にこだわらない

もしあなたが自分らしく働くことに難しさを感じているのなら、民間・医療機関・公的機関では様々な障害者を支援する施策やサービスも活用してみてください。

始めは個人的な病気や家族のことを話すのに抵抗があるかもしれませんが、担当者は親身になって相談に乗ってくれます。病気と仕事を両立し、自分らしい生き方をするための足掛かりにしてみてくださいね。

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