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【メンタルヘルス不調とお金の問題①】使える8つの経済的な支援制度の概要

「このまま働けないと、お金が心配。生きていけるんだろうか。」

「公的制度を調べてみたけど、自分には使えるのだろうか…」「障害者手帳は申請したほうがいい?」

 

メンタルヘルス不調になり、これまでのように働くことが難しくなると、様々な不安や悩みが湧いてくるものです。今回は、メンタルヘルス不調のある方のお金にまつわる困りごとと、申請することで利用することができる経済的な支援制度を3回に分けて解説していきます。

これを読んでいるあなたの悩みが少しでも解決して前に一歩進めるようになることを願っています。

 

 

[目次]

■メンタルヘルス不調とお金の問題とは?

■メンタルヘルス不調の方が使える8つの経済的な支援制度

働きたい、けど長く働くことができない…と悩む方に

 

 

 

■メンタルヘルス不調とお金の問題とは?

メンタルヘルス不調になると、次のようなお金の問題が出てくると言われています。

 

  • 症状に波があり出勤が安定せず、減給になる
  • 無職が長引くことによって起こる無収入
  • 休職を繰り返すなど、仕事が長続きせず収入が安定しない
  • 定期的に精神科や心療内科に通うため治療費が必要

 

例えばうつ病の治療は、状態がよくなったり悪くなったりを繰り返しながら、だんだんと回復してきます。治療で一番大切なのが、「休息」と「再発防止の取り組み」です。

 

強いストレスになる原因から離れ心身をしっかりと休めることが、まずは一番大切です。

そして心身が回復してきたら、なぜ病気になった原因を振り返り、同じような状況にならないよう対処法を考えていきましょう。

治療の間は主治医の指示に従い、働いてもよいと判断されるまでは働くべきではありません。

では働くことができない間に使える金銭面の制度にはどのようなものがあるのでしょう?

以下、紹介していきます。

 

 

■メンタルヘルス不調の方が使える8つの経済的な支援制度

 

①傷病手当金

傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

(全国健康保険協会HPより)

 

この傷病手当は健康保険や共済組合の給付の一つなので、会社員や公務員なら誰もが利用できますし、あまり知られていませんが、派遣やパートの人でも健康保険に加入していれば利用が可能です。

 

支給期間は、支給開始日から最長で1年6ヵ月となっています。支給額は健康保険の加入期間などにより異なりますが、過去12ヵ月の標準報酬月額の平均を日額にした額の2/3です。

ただし、給与の支払いがある場合や失業手当を受ける場合、出産手当金を受ける場合などは支給停止あるいは支給額を調整されます。

 

受給するには、業務外の病気やケガで仕事に就けないこと、連続する3日間を含む4日以上仕事に就けない、給与が一部だけ支給されている場合は、傷病手当金から給与支給分を減額して支給されるなどの条件があります。

 

  • 申請は、傷病手当金を申請したいことを会社等に伝え、人事や総務などの担当者を通して進めることになります。

 

 

失業手当(雇用保険給付)

失業保険とは、会社を離職した後、就職する意思と能力があることが前提に90~360日間支給される雇用保険制度です。傷病、妊娠、出産、育児などの事情がある場合には最長3年まで受給期間を保留できます。受給できる保険料は、離職前の給与を計算式に当てはめた額の50~80%が一般的です。

 

失業保険と傷病手当金が異なる制度なので、「どちらももらえるのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、これらの同時受給はできません。傷病手当金は「働けない状態の方に支給されるお金」であり、失業保険は「働く意欲のある方に支給されるお金」です。同時にこれら2つの要件を満たすことはありえないからです。

 

退職時、精神疾患で働くことができない状態なら、まず「傷病手当金」を受け取りましょう。その後、働ける状態になってから、傷病手当金の受給を終了して失業保険の申請をしてください。

 

失業保険の受給期間は退職後1年以内です。傷病手当金の受給期間は最大で1年6か月なので、失業期間が長くなると、失業保険受給期間の1年を過ぎてしまいます。そんな場合は「失業保険の受給延長」の手続きを行いましょう。認められれば、失業保険の受給可能期間を最長3年間まで延ばしてもらうことができます。

  • 申請には、退職した職場から発行された雇用保険被保険者離職票をハローワークに提出します。

 

③自立支援医療制度

自立支援医療(精神通院)制度は,障害者が自立した日常生活または社会生活を営むために必要な通院医療費の給付をする制度です。

この制度による認定を受けると医療費の自己負担割合は原則1割ですが、世帯の所得の状況に応じて負担上限月額が定められ負担が軽減されます。

(広島県立総合精神保健福祉センターHPより)

 

簡単に言うと、この制度を利用することで医療費の自己負担額が1割になる制度です。

精神疾患は少しずつ安定、改善に向かう疾患が多く、治療では長期にわたる通院が必要になりますが、精神疾患の患者の経済的な負担を軽減するという目的で作られたのが「自立支援医療制度」です。

 

 

  • 申請は、主治医に自立支援医療の適用になるか相談した上、申請用紙に記入して障害福祉課の窓口で申請します。

注意点としては、自立支援医療制度は市区町村に登録された「指定自立支援医療機関」(病院、クリニック、薬局、訪問看護ステーション等)でしか利用できず、どんな病院でも使えるものではないことです。

 

 

④障害年金

病気やケガにより、障害を持った方が生活費を賄うために、加入している保険から支払われるのが障害者年金です。精神疾患になり生活や仕事が困難になった人は、若い世代の方でも障害者年金の受給対象になります。

 

受給できる金額は障害の等級や、加入している年金が「国民年金」か「厚生年金」かにより異なります。

 

  • 申請は、「障害基礎年金」の場合は市区町村役場の窓口、「障害厚生年金」の場合はお近くの年金事務所になります。

 

 

⑤労災保険

労災保険制度は、労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度です。

その費用は、原則として事業主の負担する保険料によってまかなわれています。

(厚生労働省HPより)

 

ただし、一般論として精神疾患による労災認定は非常に難しいと言われています。近年精神疾患での労災申請件数は増加傾向にあるものの、支給決定件数の割合は横ばいです。

 

精神障害は様々なストレス要因が複合的に作用して発症する場合が多く、環境の変化やライフステージの変化など、日常生活のあらゆる場面にストレス要因は潜んでいます。

 

仕事が原因で精神疾患が発症したと根拠に基づいて証明できないと労災認定は受けられないため、精神疾患の労災認定はハードルが高いのです。

 

 

⑥障害者手帳

精神障害者保健福祉手帳は、精神障害(知的障害を除く。)のために長期にわたって日常生活や社会生活に制限を受けている方が申請により取得することができます。

 

手帳を取得されると税制の優遇措置や公共交通機関の運賃割引(JR、県外の公共交通機関を除く。)、各種施設の利用料の割引などの優遇措置を受けることができます。  ※広島市HPより

 

取得は任意ですが、取得することで  税の優遇措置や公共料金が割引になるなどのサービスが受けられるので申請することをおすすめします。

 

詳しくは精神障害者福祉手帳とは?取得することで得られる3つのメリット(リンク)

 

  • 申請は、医師の診断書などの書類を揃え、住んでいる市区町村の障害福祉担当窓口に提出します。

 

 

 

ここからは就労困難な期間が長くなってしまった方向けの制度の紹介です。

 

⑦生活困窮者自立支援制度

生活困窮者自立支援制度は、精神疾患の方のみならず、経済的に困窮し最低限度の生活を維持することができなくなるおそれがある方へ包括的な支援を行う制度です。

 

就労の状況、心身の状況、住まいの確保、家族の課題、家計の課題、債務、社会的な孤立などの

状況にある生活困窮者の尊厳を守り、少しずつ自立していけるように作られた新しい制度です。

 

経済、就労、住居確保といった幅広い分野について相談することができ、要件を満たす方には家賃相当額の支給といった経済的な支援も行っています。

  • 申請は市町村により異なります。広島市の方の窓口は社会福祉法人広島市社会福祉協議会になります。

 

⑧生活保護

病気やケガなどといった理由で働くことが出来ない人や、働けても収入が極端に少ない人を対象にしており、生活に困窮する人は誰でも申請することが可能です。

生活保護制度の原理と原則を定めた「生活保護法」に基づき、保護の必要性が認定された人に運用されます。

 

生活保護を受ける際の条件として、持家や土地、車などの資産となるものは手放さなければなりません。また、家族と一緒に暮らしている場合は家族もすべて生活保護世帯となる必要があります。

生活保護という制度は、自分と一緒に暮らしている家族のお金が底をついてしまったときに使う最終手段とも言える制度です。保護を受けている間は貯金をすることも資産を持つこともできません。

 

 

働きたい、けど長く働くことができない…と悩む方に

 

メンタルヘルス不調の方が、休職中や無職が長引いた際などに使える経済的な支援制度を解説してきました。

 

申請時に医師の診察や診断書が必要となることもあるので、早めに専門医を受診してください。そして、経済的な支援を受けたり、治療が終わり再就職を支援する機関に通ったりし始めてからも、通院や服薬は必ず続けるようにしてくださいね。

 

 

  • 自立訓練を使ってみませんか?

「働きたいのに、自分にあった仕事が分からない…」「精神疾患のために何度も休職を繰り返してしまっている…」といった悩みがもしもおありなら、自立訓練を活用してみるのもおすすめです。

生活リズムを整えながら復職に向けての心理面・スキル面のリハビリをすると同時に、休職になった時の振り返りをし、再休職防止への取り組みができます。また、仕事のスキルアップにつながるようなプログラムが提供されることもあるので、自立訓練をつかうことで休職期間がより有意義なものになるでしょう。

 

 

 

■まとめ

精神疾患になった方が受けることができる公的な経済的支援をまとめて解説しました。

日本は公的支援や福祉サービスが充実しており、精神疾患になって働けなくなった時に使える制度が沢山あります。

 

しっかり休養して心身を回復してから、再び働けるようになったら復職準備を始めましょう。また、メンタルヘルス不調で休職・転職を何度か繰り返している場合は自立訓練など、働くための土台作りを行える福祉サービスを活用するのも有効です。

 

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