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パーソナリティ障害とは?特徴や治療法、仕事をする上でのポイントを解説

パーソナリティ障害という病名をご存じでしょうか。怒りっぽい、おっとり、前向き、しっかり者…。「気質」や「個性」というものは人それぞれ。

しかし、個性が一般的な社会から大きく逸脱してしまい、本人が生きづらさを感じたり、周囲を困らせている場合はパーソナリティ障害と診断されます。

 

故人ではマリリン・モンローや太宰治、ダイアナ妃、尾崎豊などはパーソナリティ障害であったと言われています。この障害は一見分かりにくく定義も難しいのですが、全人口の10~15%がパーソナリティ障害ではないかという説もあります。

今回は、パーソナリティ障害の特徴やパーソナリティ障害の人との関わり方と働き方について解説していきます。

 

 

[目次]

■パーソナリティ障害とは?

■パーソナリティ障害の特徴と症状は?

■パーソナリティ障害の治療法は?

■職場のパーソナリティ障害を持つ人と上手く付き合うには

■パーソナリティ障害の人が働くポイントは?

 

 

 

 

■パーソナリティ障害とは?

パーソナリティ障害とは、パーソナリティ(個性)の偏りが原因で生活に支障が出るほど本人が苦痛を感じていたり、周囲との関係で摩擦が起きてしまっている状態のことです。パーソナリティ障害の人は人間関係を上手く築くことが困難なので、社会の中で孤立してしまい、仕事を上手くこなしていけず辛さを感じます。

 

■パーソナリティ障害の特徴と症状は?

パーソナリティ障害は、その人の認知(ものの捉え方や考え方)、感情コントロールなどの精神機能の偏りから生じるものです。頑固で柔軟性がなく、自分自身や周囲の人に苦痛をもたらす考え方や行動が長期間にわたって続くという特徴があります。

 

 

〇そもそもパーソナリティ(個性)とは?

私たちの個性はどのようにしてできているのでしょうか。

 

・気質(先天的に持った性質)

・性格(後天的にはぐくまれた性質)

・認知行動(物事の捉え方や、考え方、反応の仕方のパターン)

・社会や育った環境の影響

 

これらが組み合わさり、その人独自のパーソナリティ(個性)が出来上がります。

個性は人ぞれぞれですが、仕事や生活上の困難を感じて辛さを感じている場合に「パーソナリティ障害」と診断されます。

青年期にはその症状が現れていて、成人後も変わることなく続いているので、例えば「若い時には極度の精神不安定がみられたが、成人してから落ち着いた」という場合はパーソナリティ障害ではありません。

 

 

 

■パーソナリティ障害の症状は?

現在パーソナリティ障害は10のタイプに分類されています。

それぞれのパーソナリティ障害のタイプをごく簡単に紹介します。

 

  • 猜疑性(妄想性)パーソナリティ障害

・他者に対する不信感や猜疑心が高い。周囲の人を信用することが出来ず、「自分は利用されている」という考えに支配される。周囲の人から悪意や敵意を向けられているという考えが常にある。

 

  • シソイド(統合失調質)パーソナリティ障害

・他者への関心がとても低く、一人でいたがる。周囲の人から冷淡な人物である、鈍感な人物であると見られる。社会から孤立する、協調できない。

 

  • 統合失調型パーソナリティ障害

・「変わった人」と思われやすい行動を取ってしまう。独り言や話の脱線、思い出し笑いなど、周囲の人からも考え方や行動が特徴的であるという印象を持たれがち。対人関係にも消極的なケースが多い。

 

  • 反社会性パーソナリティ障害

・社会的なルールに無関心で、他人に対する共感性が欠如しているため、罪悪感を持たずに犯罪行為や暴力行為を行ってしまう傾向がある。

 

  • 境界性パーソナリティ障害

・感情の波が激しくて自分の感情を制御することができない。自分は相手に見捨てられるのではないかという大きな不安があり、気を引くために周りを巻き込んで問題行動を引き起こす傾向がある。

 

  • 演技性パーソナリティ障害

・常に注目されてないと気が済まない。周囲や異性からの注目を集める目的で嘘をつく、人をだます。

 

  • 自己愛性パーソナリティ

「自分は特別な人間だ」と強く思う。非常に野心的で、自分以外の人間を劣った存在として扱ってしまう。根底には強い劣等感があり、失敗や挫折に弱い。周囲の人々への共感性が著しく低いのに、賞賛は強く求める傾向。

 

  • 回避性パーソナリティ障害

・失敗を極度に恐れ、責任のある仕事やポジションから逃げる傾向がある。相手に拒絶されるのが怖くて、深い人間関係を築けない。

 

  • 依存性パーソナリティ障害

・自分で意思決定することができず、常に近しい人に依存してしまう。

(依存には2つのタイプがあり、自分で決断せず他人の判断に任せてしまう「幼児型」と、自己犠牲の上 依存の対象に尽くす「献身型」がある)

 

  • 強迫性パーソナリティ障害

・自分独自のルールを持ち、そのルールに根拠がなくても守ることに強いこだわりがある。他人にも同じルールを強いるため、周囲の人と良好な人間関係を築くことが難しい。

 

 

このように見てみると、自分や身近な人に当てはまるものがいくつかあったかもしれませんね。しかし、本人が生きづらさを感じていない場合はパーソナリティ障害と診断されません。

パーソナリティ障害は分かりづらく、本人も周囲も「そういう性格の人」と思っているため、困っていても専門医を受診することは稀です。

しかし、葛藤や強いストレスから、うつ病、不安障害、依存症などのほかの精神疾患を併発する二次障害がよくみられます。

 

 

■パーソナリティ障害の治療法は?

基本的には精神療法を行います。

パーソナリティ障害の精神療法では、個人精神療法、集団精神療法、家族療法の3つの種類があります。

個人精神療法・集団精神療法では、認知や思考、行動パターンの改善のための認知行動療法などが行われます。

また、パーソナリティ障害を引き起こす原因に、家族との関係があるので、家族療法を行うことで家族との関係を考え直していきます。

 

抑うつ、イライラなどの症状が出ている場合は薬物治療をすることもあります。

 

 

 

■職場のパーソナリティ障害の人と上手く付き合うには

 

パーソナリティ障害の人が職場にいる場合、近しい関係からどうしても影響を受けてしまいます。一番避けなければいけないのは、側にいる人が強いストレスから精神疾患を患うような事態です。

パーソナリティ障害の人と関わるときは、一定の距離感を保ちながら、穏やかに見守ることが大切です。

 

性格的に優しい人は、パーソナリティ障害がある人を心理面でも支えようとしがちです。しかし、自分が関わることで相手の調子が良くなることはあまりありません。

精神面に関わるサポートは医師や専門家に任せましょう。相談事を受けるときは、「業務に関することのみ」「仕事の休憩時間だけ」と時間や内容の範囲を決めておくと後々のトラブルが防げます。

 

職場においては、就業規則に基づいた人事労務管理の枠組みでの対応と、メンタルヘルス不調に対する合理的配慮を分けて考えることがポイントです。

遅刻や欠勤、業務遂行能力の低下などの問題行動については、あくまでも人事労務管理の枠組みで対応します。障害だからと過度に気遣ったり、特例を認めることは本人のためにも職場のためにもなりません。

 

もし遅刻や欠勤が繰り返されるようであれば、社内規定に則した期間の休職を勧めましょう。休職時には医師の診断書を提出させ、医師の見立てに応じた休職期間を設定します。

 

 

■パーソナリティ障害の人が働くポイントは?

 

ポイント1.医師の診断のもと治療を続ける

パーソナリティ障害はすぐに治る病気ではなく、根気よく治療をする必要があります。

治療をあきらめて放置すると、周囲の人と良好な人間関係を築くことが出来ない葛藤やストレスから二次障害で他の精神疾患が悪化する恐れもあります。

認知行動療法などの精神治療は、薬の様に即効性があるわけではなく治療に時間がかかりますが、感情や行動がコントロールできるようになれば、生きづらさ・働きづらさが徐々に抑えられます。

 

ポイント2.生活を整える・ストレス解消法を見つける

パーソナリティ障害の人は精神的に不安定で、食事や睡眠などの生活リズムが崩れやすい傾向にあります。また、葛藤からくるイライラを過食・飲酒・衝動的な行動・喫煙で紛らわせようとすることも多いです。

それを自分で理解した上で、ストレス解消法をいくつか作っておくとよいでしょう。

休日や仕事終わりに運動やカラオケ、絵やヨガ、料理など、自分の好きなことをする日を設けておきましょう。

 

ポイント3.相談できる場所を複数作る

パーソナリティ障害の人の中には、家庭や職場の人間関係などが上手く築けず孤独感や不安感を抱えている人、感情的に不安定になりやすい傾向の人もいます。

家族や友人に相談するのもよいのですが、周りの人は支援者として専門知識があるわけではないため、周囲の人がストレスから参ってしまうことも考えられます。

ですから、行政の支援窓口などを利用することも検討してみてください。障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターはメンタルヘルス不調者の就労・自立に関して相談できる窓口です。

働く場所を探している時はハローワークの障害者専門支援窓口を訪ねましょう。精神障害者の積極的な採用を行っている会社の求人を無料で紹介してもらえます。

ソーシャルトレーニングから就職活動までを支援する就労移行支援事業所、リワーク機関などもあります。

 

 

■まとめ

パーソナリティの偏りは誰にでもあります。その偏りのせいで自分や周囲の人が苦しんでいる場合、パーソナリティ障害の可能性があります。

パーソナリティ障害は放っておくとそのほかの精神疾患を引き起こす可能性があるので、早めに専門医を受診するようにしてみてください。

社会生活・日常生活に支障が生じている場合は、医療機関や就労支援センターなどの専門機関のサポートを頼ってください。あなたが、あなたらしく働く未来のために手を差し伸べてくれる人がきっと見つかるはずです。

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